NHKは13年7月に記者が長時間労働で過労死したことで、働き方改革を進めていますが、報道以外のエンターテインメントの分野も同様に改革は進むのでしょうか。

 NHKは11月20日に19年前期(4月スタート)の連続テレビ小説の内容とヒロインを一緒に発表しました。放送の約1年5カ月前です。18年前期の作品内容は、今年2月、ヒロインは6月に発表していますから通常より、かなり早い発表。収録開始も通常より約4カ月早いそうです。理由は働き方改革だと。早めにスタートして時間にゆとりをもたせる意向のようです。また、今年の紅白歌合戦の出場者発表も昨年より1週間早まっています。

 先日の定例放送総局長会見では、放送総局長が「職員だけでなくすべての人が健康でいられるように全局を挙げて取り組もうとしている。それぞれの現場で、できる事を考えて実行してもらいたい」と話していました。

 大河ドラマや朝ドラには「長くて、たくさん収録を重ねるものは、やり方を変えていこうと話し合っているが、NHKの職員だけ決められない。出演者のスケジュールの話もある。1日の収録を短くすれば全体のスケジュールも延びる。出演者の理解と協力がないとできない。工夫して今までとは違う収録を目指したい」と話していました。

 出演者の都合を考えると、収録期間が長引けば、民放など他の仕事に影響がでます。なかなか難しいことかもしれません。

 また、紅白について放送総局長は「早く発表すれば早く準備できる。働き方改革につなげてほしい。早く発表しても結果は一緒ではまずいと思う」とも。

 これに対し、紅白の制作側は「早めに出演者が決まったこともあり、早めに発表した。発表が早くなればクオリティーを上げる時間が取れる」と説明しました。働き方改革を意識しているとはあまり感じない言葉。クオリティーを上げるために時間を費やすなら、結局、労働時間は変わらないかと思います。エンターテインメントの分野の働き方改革は、出演者の都合が大きいです。難しい問題と言えそうです。

 働き方改革でもう1つ。最近、大河や朝ドラの出演者発表会見の案内が、会見当日、突然、各メディアにファクスで送られて来ています。各メディアの記者は当初の取材予定を急きょ変更したりとドタバタです。NHKの影響で、NHKを取材する側の働き方改革は、かなり厳しい状況と言えそうです。