-選考会では、短い出演ながらとても強い印象を残したと評価された
出番のボリュームとしてはさほど大きくはなくて、見ていただく方に評価していただく要素そのものがすごく少ない。にもかかわらず評価していただけた。ものすごく感動してます。
-役作りをどのように
基本的に役作り的なことをせずに今まできております。何か役を演じる時に、その時その時の、感情の揺れ、感じたことを表現する。きちんと感情を込めることが大前提。
-台本を読み込んで
それが素地にあるのは間違いないんですけど、私がよく言う表現の仕方として「距離感、空間をはかる」。セットに入った時の、全体の広さ、相対する俳優さんとの距離感とかから生まれてくる感情があって…。簡単に言えば、相手の俳優さんとやりとりをした上で生まれてくるものを大事にする、という言い方が適切かもしれないです。
-是枝監督との仕事は
是枝監督は居丈高なことは皆無ですし、大上段に構えてこういうふうにやってほしいと指示をされることもない。是枝監督は、目の奥を見つめて、私が考えていることをはかってらっしゃる感じがしました。「どう思いますか? どんなふうだと思いますか?」とよく質問されるんです。自分の中に考えていることがなければ答えられないわけですし、あらためて役と真剣に向き合おう、役について考えざるを得ない、というのが是枝監督の演出スタイルでした。
-受賞について是枝監督は
去年の8月から是枝監督とはLINE友達なんです。何日かいっぺんにやり取りをしていて、ブルーリボンのことも「取りました! やった、うれしい!」ってLINEしたら、「ま、由貴さんなら当然だけどね」と返ってきて、うれしかったです。
-是枝監督から熱烈オファーを受けたと聞いた
2年前に1度、声のお仕事でご一緒してて、ご飯食べてるんです。(作詞家)松本隆さんと是枝さんと、横浜で3人で。その時、是枝さんに「出たいなあ」と言ったんです。是枝さんはああいう人だから、僕が熱烈にオファーしました、とおっしゃってくれたんです。前提として、私が暗にプレッシャーをかけたんです(笑い)。作品はけっこう見てます。「誰も知らない」が好きです。