先代桂文枝一門の桂かい枝(48)、桂米朝一門の桂吉弥(46)、桂春団治を師匠に持つ桂春蝶(43)が24日、大阪・上方落語協会会館で、94年入門同期3人で恒例となった「くしかつの会」(3月5日、大阪・ABCホール)を発表した。

 上方落語の「次世代」を背負う3人がそろっての会見。昨年末から、2度目の不倫疑惑が浮上している協会会長の当代桂文枝(74)について聞かれると、“自由人”を自称する春蝶が代表して答えた。

 「はなし家は世相の粗(あら)が飯の種、とは言いますが、全員がネタにしていますからね、笑いのチャンスがあれば、好球必打ですよ。ええ球放ってくれて、会長、ありがとうって感じです」

 芸の道に色恋はつきもの-。熱烈な阪神ファンで、大好きな野球に特化して感想を口にした。

 70代になっても色香を絶やさない文枝には「元気なのはいいことです。誰かが亡くなったとか、死の話より生の話の方がいいでしょう。あ、生じゃなくて『性』の方で」と、ジョークをまじえて続けた。

 というのも、所属事務所を離れ、今は東京を拠点に上方落語普及を目指す春蝶は「仲間が尊敬しあっていて、成り立っている」と、協会を見ており「だからこそ(スキャンダルも)笑いにして、消化できればいいと思っています」と話す。

 それだけに、お盛んな会長は「歓迎」と言うわけだ。ただし、一昨年の紫艶に続く、新たな色恋ネタに「だけど次はアウトです。野球で言うたら3球目でアウト(三振、3アウト)ですから」と、再び、野球にたとえて、持論を展開した。

 その春蝶が、かい枝、吉弥と同期3人で開く「くしかつの会」は、今回が2回目。ネタ順を当日抽選で決めるシステムで、かい枝は「子はかすがい」、吉弥は「地獄八景亡者戯」、春蝶は「たちぎれ」と、演目だけは決めて当日を迎える。

 かい枝は「芸歴を重ねてきて、緊張感も経験で乗り切れるようになってきましたが、やっぱり同期とやることで、横を意識するというか、負けたくないって気合が入ります」。吉弥は「この世代はみな、四天王に直接(指導を)受けていて、この世代が頑張らないと将来はないと思っていた」と、将来の上方落語をけん引する覚悟を吐露。大師匠に米朝さんを持つ吉弥は、一門おなじみの「地獄八景-」を高座にかける。

 また、父の先代春蝶を亡くした後、父の師匠だった3代目に弟子入りした春蝶は「落語の世界では次世代と言われますが、プロ野球なら同年の人(松井秀喜)が国民栄誉賞を受賞している。僕たちも、もっともっと前へ出ていかないといけない」と話していた。