松坂桃李(29)が殺人マシンを演じることが24日、分かった。主演舞台「マクガワン・トリロジー」(7月13~29日、東京・世田谷パブリックシアター)で、生まれながらの乱暴者で、仲間さえ平然と殺してしまう男を演じる。

 同舞台は14年、米ニューヨークのアイルランド演劇祭で初演された。殺人マシンとなった男の3年の歳月を、会話のズレなどから起こる乾いた笑いを織り込みながら描く悲劇。松坂が演じる主人公マクガワンは、生まれながらの乱暴者で、暴力を振るうのが大好き。英国から分離独立を目指す北アイルランドの武装組織に入り、頭角を現していく。情報を敵側に流した疑いが持たれた仲間も平然と殺す。しかし最後にある隠された真実を知り、自分の心も壊れていくという物語。

 台本を読んだ松坂は「少し猟奇的な本作の戯曲の難しさを感じています」と話している。演出を手掛ける小川絵梨子氏は今年秋に新国立劇場の芸術監督に就任する。松坂は小川氏とは14年の舞台「ヒストリーボーイズ」以来4年ぶりのタッグ。「厳しいながらも、お芝居に対してしっかりと向きあわせてくださる。とことん濃密な時間を過ごせることが楽しみであり、怖くもありワクワクもしています」と話している。音楽に乗って踊りながら人を殺す場面もあるが「稽古前なのでどうなるか分かりませんが、若干歌う場面もあったりなかったりするので…。お客様に楽しんでいただけるよう頑張ります」。

 放送中のNHK連続テレビ小説「わろてんか」(月~土曜午前8時)で、ヒロインを支える夫を爽やかに演じており、今回の舞台とのギャップが話題になりそうだ。共演は高橋恵子、趣里、浜中文一ら。東京公演後、6月に愛知・とよはし芸術劇場公演、7月に兵庫芸術文化センター公演も行う。