福山雅治(48)が30日、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われた、ジョン・ウー監督(71)の新作となる香港、中国合作映画「マンハント」(2月9日公開)ジャパンプレミアで「こういうチャンス…監督からオファーをいただけることは、もう一生ない。飛び込んだ」と、世界的な名監督からオファーを受けた思いを感慨深げに語った。

 福山は、世界を代表するアクション映画の巨匠からオファーを受けた当初の思いを聞かれ「すごくうれしかったし、光栄だし、夢のようなお話」と答えた。その上で「同時に、僕で良いのかと。アクションは未経験と言ってもいい人間が、ジョン・ウー監督の作品に出て良いのか? ダメなんじゃないかという気持ち…不安は、最初は半分より多かったんじゃないかな」と、アクションへの不安が期待を上回っていたことを素直に吐露した。

 ただ、銃を撃つシーンで銃、顔の角度などを変えて10~15カットも撮るウー監督の撮影手法に「僕がイケていないのかもしれないけれど『この角度でやってみましょう』と1枚、1枚の画をずっと撮られる。これが監督のアクションの美しさ…多くの銃弾、血が飛ぶけれど、どこか美しいアクションは、コンマ何秒の美しい画を積み重ねることで表現されていることを知れたのは、うれしかった」と、監督の演出を理解し、アクションへの自信を深めたことを強調した。

 劇中では、斎藤工(36)、池内博之(41)と戦闘シーンも演じたが「ハードル、上げてもいいんじゃないかな? 逃げも隠れも出来ない。(アクションは)めちゃくちゃハードです。僕のみならず、池内さんとも工さんとも戦う。結構、ハード」と胸を張った。国村隼(62)も、大阪など日本で全編、撮影が行われた作品について「日本でも、こんなアクションが撮れるんだと。それがウーさんのアクションコーディネート。福山さんも頑張った」と絶賛した、超絶アクションが完成した。

 ウー監督は、福山の起用について「福山さんは前から非常に注目しているアーティスト。芸術活動を通して平和、前向きな思いを発信している。OKしてくれるかどうか心配したが、快諾してもらってラッキーだった」と笑みを浮かべた。

 「マンハント」は、作家西村寿行さんの小説が原作で、高倉健さん主演で76年に映画化された「君よ憤怒の河を渉(わた)れ」のリメーク。「君よ-」は、衆院議員の不審死事件を捜査していた検事が、女性からの通報を受けた警察に強盗傷害容疑で逮捕され、逃げる中、女性が殺害されると殺人容疑で追われる物語。一方、「マンハント」は女性の殺害容疑を着せられて逃亡する弁護士ドゥ・チウと、真実こそ正義と信じてチウを追う刑事の矢村聡を描き、中国では17年11月に公開された。福山は海外映画デビュー作となった同作で、中国の俳優チャン・ハンユー(53)とともに主演を務め、チャン演じるチウを追う矢村を演じた。ウー監督は「長年、日本で映画を撮りたかった。脚本にも恵まれ、高倉さんと日本映画へのオマージュの思いを込めて撮った」と感慨深げに語った。

 この日は倉田保昭(71)桜庭ななみ(25)TAO(32)ジョン・ウー監督の娘で女殺し屋ドーンを演じたアンジェルス・ウー(37)も登壇した。