演歌歌手北島三郎(81)が9日、都内で第54回日本クラウンヒット賞の贈呈式に出席した。

 アルバムヒット賞、シングルヒット賞3曲の4冠に輝いた北島は、受章者を代表してあいさつ。昨年亡くなった師匠の作曲家船村徹さん(享年84)や友人の作曲家平尾昌晃さん(79)をしのんで「いずれ形ある物は壊れ、命あるものは旅立つ。私たちの稼業はゴールがないけど、皆さんに夢を与える。北島三郎になって56年が間もなく終わるけど、まだ完成していない。どんどん時代が変わっていくけど、いただいた賞を大事にして、みなさん、一緒に頑張りましょう。本当にありがとう」と結んで、大きな拍手を浴びた。

 その後の会見では「日本の流れに乗りながら、日本の歌も変わっている。それに置いていかれないようにしたい。歌い手だから歌は命ですよ。宝物と考えて歌っていきたい」と、今後の歌手活動にさらなる意欲を見せた。

 最近は一昨年、昨年の年度代表馬に選ばれたG1・6勝のキタサンブラックの馬主として表彰式に臨むことが多かった。「やっぱり(自分が)表彰されないと寂しいよ。歌うことが好きだし、歌うことが使命。多くの方の元気の肥やしになれるように、その道を歩きながら賞をもらうとうれしいね」と笑顔を見せた。

 道産子だけに開催中の平昌五輪(ピョンチャンオリンピック)への関心も高く、北島は「始まったね、行きたいね。大回転に出たかったよ。日本の選手に頑張ってほしい」とエール。自信もウインタースポーツは大の得意。「スキー、スケートは当たり前。凍った普通の道路でスケートやっていた。スキーも長靴に履いて滑っていた。ラグビーだって雪の中でやってたんだから。それでもって、すごい寒がり屋だからね」と笑った。

 スキージャンプの葛西紀明(45)とは、ともに北海道出身で道民栄誉賞を受賞している。「彼はすごいね、しっかりしている。年齢を感じさせずに頑張っている。レジェンドですよ。元気をくれますよね。『この年でもできる』といいうことを見せてくれる。(自分も)同じじゃないでしょうか。あの姿勢が素晴らしい。できればメダルを全部持ってきてほしい」と話した。そして、日本選手団に対して「日本人魂で頑張ってほしい。メダルも大事だけど『素晴らしいな!』というのを残して、元気に帰ってきてほしい。2年後は東京五輪だけど、それに向けて私も『まつり』の準備をしなきゃ」と笑った。

 出席予定だった美川憲一(71)は4日に左足首を骨折して、全治2カ月の重傷で欠席。北島は「かわいそうだね。あせらないで治してほしい。足で歌うわけじゃないから、また元気になって出てきてほしい」と話した。