急死した俳優大杉漣さん(享年66)の長男で写真家の大杉隼平氏(35)が、「親父。大好きでした。心から尊敬していました」と亡き父への思いをつづった。

 隼平氏は27日、インスタグラムを更新。漣さんの葬儀を家族近親者のみで執り行ったことを報告し、「本当にあまりに突然の別れとなってしまいました。信じたくない。夢であって欲しい。心からそう思いました」と率直な胸の内を明かした。

 漣さんの最期に立ち会うことはできなかったという。「一言でもいい。ありがとうございます。を伝えたかったです」と悔い、「対面した父は安らかな顔をしていて、今にも起きてきそうな気がしました。あんなにあたたかかった父の手。父に触れると冷たくて固くなっていました。その時、父が亡くなった事が現実だと少し理解できた気がしました」と振り返った。

 「父は本当に『現場者』でした。現場にいることを常に心がけていました。そしてそれを全うしました」と、死の直前まで撮影に臨んでいた漣さんをしのび、「それでも、『不安と隣り合わせだよ。いつになっても』ふとそんな事を言っていたのを思い出しました。でもその不安とちゃんと向き合い、いつも全力で向かう父の姿勢は素晴らしいものでした」とつづった。

 家族思いだったという漣さんは、忙しい最中にも必ず仕事先から電話で「お母さんと妹を頼んだぞ。たまには家に顔出してやれよ」と隼平さんに話したという。隼平氏が漣さんに最後に会ったのは亡くなる3日前。その時、漣さんから「写真撮ってくれるか」と頼まれたが、その約束を果たせず、「最後に撮った写真は亡くなった後の父でした。生前、最後に父を撮ったのは徳島でのLIVEとなりました。無念でなりません」と胸中を吐露した。

 隼平氏は「小さい頃から、父とは沢山の時間を共有してきました。今も毎週のようにご飯を一緒に食べて、そんな当たり前にあった日常の中で、父はいつも言葉ではなく、体現する事で大切な事を教えてくれたように感じます」とつづり、「親父。大好きでした。心から尊敬していました。その想いを糧に、今はできることをやっていきます。どうか見守っていて下さい」と呼びかけた。