関西の映画ファンが映画人とふれあう場所を設けようと始めた「おおさかシネマフェスティバル2018」が4日、大阪市内のホテルで開かれ、主演男優賞は「火花」の菅田将暉(25)桐谷健太(38)が受賞した。

 フェスティバルの進行は関西の名物パーソナリティー浜村淳(83)が務め、先に登場した桐谷は「会いたかった!」と感激。続いて菅田を呼び込むはずが、浜村が映画の感想などをしゃべり始めると、桐谷も応じて脱線。先に「あゝ、荒野」で助演男優賞を受賞して着席していたユースケ・サンタマリア(46)と、桐谷が機転をきかせて菅田を呼び込み、壇上でトークが始まった。

 ピース又吉直樹の原作小説をもとに、漫才師にふんした菅田、桐谷は、ともに大阪出身で、この日のトークも絶妙な間で進行。桐谷は「漫才師に見えるよう、劇場にも出させてもらって練習をした」、菅田は「漫才シーンは劇場で撮ったんですけど、ウケたらウケた映像で、すべったらすべった映像で、というぶっつけ本番でやりました」と振り返った。

 大阪出身コンビの掛け合いトークに、浜村の“自由度”も上昇。ユースケが助演男優賞を受賞し、菅田も出演していた「あゝ、荒野」について、浜村は「前後編で、5時間あるので、前半しか見てない」と“笑撃”の告白をポロリ。菅田は「ちゃんと『あゝ、荒野』も全部見てくださいよ」と浜村にお願いし、浜村は「今日帰ったら見ます」と苦笑しながら約束した。

 その浜村は、ユースケに突如、芸名の由来を聞き始めるなど、お決まりのきれい事あいさつでは終わらないのが、大阪らしさ。ユースケも満喫し「トロフィーを宝物にします」と満面笑みで受け取った。

 また、主演女優賞は「彼女がその名を知らない鳥たち」で蒼井優(32)が昨年に引き続き、2年連続の受賞。蒼井は昨年、仕事で表彰式に出席できず、今年は雪辱の参加。浜村に「去年は来てくれなかった」といじられると「ドラマの撮影中でした」とおわび。爆笑の連続になった浜村の進行ぶりに「こんなに笑いのある映画賞は、大阪ならではです」などと言い、感心しきりだった。

 ほかの受賞は助演女優賞が「幼な子われらに生まれ」の田中麗奈、新人男優賞は「君の膵臓をたべたい」の北村匠海、新人女優賞は「映画 夜空はいつでも最高密度の青空だ」の石橋静河らが受賞し、表彰。外国映画の作品賞は「ラ・ラ・ランド」、日本映画の作品賞は「彼女がその名を知らない鳥たち」だった。