先日、3日に初日を迎えた舞台「江戸は燃えているか」(東京・新橋演舞場)の会見を取材しました。中村獅童が演じる勝海舟と松岡昌宏が演じる勝の替え玉を中心に、江戸無血開城をめぐる騒動を描いた群像コメディーです。脚本と演出を三谷幸喜氏が担当しています。喜劇ということで出演者の顔ぶれや演技も面白そうですが、会見で最も面白かったのは三谷氏でした。

 三谷氏は稽古場で盛り上がって笑える場面が2カ所あると紹介すると「2つとも僕の台本にない」と自虐ネタを披露。また、出演者の1人のお笑いタレント飯尾和樹の長ぜりふに注目し、「見どころは飯野さんの滑舌の悪さ。こんなに悪いと思わなかった。次はせりふを少しにする」と、ひょうひょうとした顔で語っていました。ミュージカルのように出演者たちが歌う場面もあるとし、「口パクが1人います。もちろん飯尾さん」とも。

 一方で、元フジテレビアナウンサーのフリーアナ八木亜希子の演技は絶賛。ただ、女優の力量アップに反比例して「アナウンサーのスキルはどんどん衰えていってます」と、報道陣を笑わせていました。

 会見で、誰よりも取材陣の笑いを誘っていた三谷氏。超一流の笑いのセンスをあらためて感じました。舞台の合間に、舞台裏や見どころを紹介する三谷氏のミニトークコーナーがあれば、観客はもっと楽しめるはず。取材陣だけが楽しませてもらっては、もったいないと感じる会見でした。