2月末、菅田将暉(25)のライブを取材した。

 4人組ボーカルグループ、GReeeeNにふんした昨年の映画「キセキ あの日のソビト」で歌声が注目され、CDデビューに歌番組出演まで果たした。人気の高さからソロデビューも決まり、デビュー曲「見たこともない景色」はauのCMソングに起用された。当初歌い手の名前を伏せてCM動画が公開されたが、「あの歌声は誰だ」と話題を呼んだほどだから、その実力は本物だ。

 そんな菅田にとっての初ライブツアーとなったわけだが、全4公演3000人の募集に対して5万通の応募があったというから驚きだ。倍率にしておよそ17倍。ファーストツアーとしては異例だろう。

 多趣味で知られる菅田だが、意外にも音楽に興味を持ったのはここ数年のことだという。映画「共喰い」の現場で出会ったフジファブリックの「茜色の夕日」を聞いたことがきっかけだそうだ。物事に対するアンテナと吸収力がはんぱない。

 人気も実力もあってすごいな、と思っていた矢先、今月上旬には日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞した。俳優としての実力は語るまでもないのだが、あらためて、多才っぷりには驚かされた。

 次はどんな分野に手を広げるのだろう。以前菅田に目指す方向を聞いたとき、きらきらした目で「想像できる未来はつまらない」と話していた。今年も菅田将暉という人間の動向に注目したい。