中村獅童、TOKIO松岡昌宏らが出演する三谷幸喜作・演出の舞台「江戸は燃えているか」が東京・新橋演舞場で上演されている。三谷作品は演舞場初登場だが、獅童らの弾けた快演もあって、笑いが絶えない舞台になった。

 西郷隆盛(藤本隆宏)率いる官軍による江戸城総攻撃を前に、幕府側の交渉役勝海舟(獅童)は西郷との最後の会談を控えていた。総攻撃をやめさせる大事な会談だが、勝は小心者でけんかっ早い。そんな性格の男が西郷と会ったら、間違いなく交渉は決裂し、江戸は血の海となるだろう。そこで、勝の娘(松岡茉優)や使用人たち(高田聖子、磯山さやか)は、勝そっくりの庭師の平次(松岡)を身代わりにして、西郷との和平交渉を成功させようとするが、そこに空気を読まない勝の妻(八木亜希子)、西郷の命を狙う勝の妹(妃海風)が現れ、混乱の中で交渉が進んでいく。

 三谷は伊東四朗を中心に放送されたNHKの「コメディ お江戸でござる」のような、笑ってもらうだけの芝居をしたいと思ったのが、今回の舞台の原点としているが、「勘違い」「すれ違い」という喜劇の定番に加え、演者が共演者にアドリブで突っ込む、本来なら禁じ手の笑いなどを盛り込み、その意図は貫き通された。

 初日前の会見で三谷は「的確にツッコみつつボロボロになっていく獅童さんのお芝居を見たのは初めて。本当に面白いのでぜひ見てください」とアピールしていたが、昨年の大病(肺腺がん)を感じさせない、汗びっしょりになって弾けまくる獅童の姿は必見です。