今年20周年の宝塚歌劇団宙組の新トップコンビ、真風涼帆(まかぜ・すずほ)と、星風(ほしかぜ)まどかの本拠地お披露目公演「天(そら)は赤い河のほとり」「シトラスの風-Sunrise-」が16日、兵庫・宝塚大劇場で開幕した。

 芝居「天は-」は、篠原千絵氏の傑作漫画を原作にしたミュージカル。紀元前14世紀、古代オリエントを舞台に、ヒッタイト王国の動乱を描く。真風が王国の後継と目される第3皇子カイルにふんし、星風演じるタイムスリップさせられた現代の女子高生ユーリとともに、理想の国を目指して戦う。

 新トップ真風は、175センチの長身を生かした立ち姿で、りりしく気品あふれる皇子を好演。初日のこの日は、原作の篠原氏も観劇し「少女漫画で描く(理想の男性を)生身の人間が演じたらどうなるのかと思っていましたが、本当にかっこいい。つい、うっとりしてしまいました」と、満面笑みで“満額回答”。

 自らも剣を持ち戦い、最終的には王国に残る決意をするヒロインを演じた星風には「男っぽいキャラで、宝塚の娘役さんにこんなこと言うのもどうか…ですけど、かっこよかった!」と、合格点を与えた。

 篠原氏の原作は95年から雑誌連載が始まっており、もともと、同氏は宝塚ファン。「これを書いていたころは、(両手を扇形にし)こんな風にチケットを並べて、(複数回)観劇していました」と言い「今回、久々(の宝塚観劇)だったんですけど、また、はまりそうです」と話した。

 ショーは、98年の宙組誕生時に上演された代名詞的作品「シトラスの風」最新版。宝塚レビューを代表する1人、岡田敬二氏の「ロマンチック・レビュー」シリーズ20作目で、新コンビの船出にあわせて「飛翔」「誕生」をテーマに入れ込んだ王道作に仕上がっている。

 宝塚大劇場公演は4月23日まで、東京宝塚劇場公演は5月11日~6月17日。