嵐・二宮和也(34)が16日、東京・丸ビルホールで行われた主演のTBS系連続ドラマ「ブラックペアン」(22日スタート、日曜午後9時。初回は25分拡大)プレミアム試写会で、この日、上映された第1話が放送6日前のこの日の朝に出来たと明かした。

 二宮はホールの後方で、ともに登壇した竹内涼真(24)らとともに試写を見た。登壇後「(観客は一緒に見たのを)気付かなかったよね? 気付かれなかったもんね。僕も見ていないシーンがあるので、全てがつながった。楽しく見られました。それこそ、今日の朝でしょ、出来上がったの? あんなに早くから撮影していたのに、今日の朝…大変ですよ。僕らが想像していなかったものがありましたね」と笑った。

 二宮は、東城大学医学部付属病院に勤務する渡海征司郎を演じる。卓越した手術の腕がある一方、嫉妬が渦巻く大学病院の中で周囲とは群れず、手術の腕がない医師が危機に陥った際、金を要求して手術を請け負うなどやりたい放題やり“オペ室の悪魔”と呼ばれる役どころで、竹内演じる1年目の若手研修医・世良雅志らに「邪魔」というのがくちぐせだ。竹内は二宮に「邪魔」と言われることについて聞かれ「『邪魔』ですか? 苦しくなくて…意外と心地よくて」と笑みを浮かべた。

 心臓手術のシーンが非常にリアルだが、撮影には本当の手術とほぼ同じくらいの7~8時間がかかるという。二宮は「僕たちは、ドラマに出たいと思っている人じゃないですか。(キャスティングが)決まったら、やった! と思うけれど、撮影が始まったら、いつまで続くのかな…(キャラ)死んだら終わるのかなと逆のことを思ったりする。今回は本当にすごい」と過酷な撮影を吐露した。医学専門誌編集長役の加藤浩次(48)が「手術シーン、10時間くらいかかってるんだよね?」と突っ込むと「7~8時間続く。リアルにやってますね」と明かした。朝から始まって深夜2時まで撮影することもあるが、そのシーンが、たった4分しか使われていなかったといい、二宮は「我々は見方が難しいドラマですね」と苦笑いした。

 「ブラックペアン」は、作家で医師の海堂尊氏の、シリーズ累計150万部を誇る小説「ブラックペアン1988」が原作。突如導入されることになった手術用最新医療機器・スナイプを巡る疑惑をきっかけに、外科医としてのプライドを守ろうとする渡海が病院、研究室、製薬会社、医療機器メーカー、そして厚生労働省などとの癒着問題や不正と、真っ向から立ち向かっていく物語。内野聖陽(49)演じる心臓外科の権威・佐伯清剛教授が手術が成功した際、最後に使う“ブラックペアン”と呼ばれる特製の真っ黒いペアン(止血用鉗子(かんし))に隠された過去が暴かれる、痛快な医療エンターテインメントドラマだ。

 二宮は試写会の最後に、テレビドラマ作りへの熱い思いを語った。

 二宮 真面目な話になっちゃうかも知れないけど、見て感じてもらいたいのは「テレビドラマって、すごいだろ」ということ。僕らも、プライドを持って作らせてもらっています。映画も舞台もすごいけれど、やっぱりテレビって、まだ力はあって、作りたいから一流の人(俳優)やスタッフが集まって、一流の歌い手さん、生み出す作家さんがいて映像化する時、こんなに時間はかかるんだけど、それを日曜夜9時にみんながチャンネルを合わせたら、みんなに届くのが僕はテレビの力だと信じています。

 この日はNHK連続テレビ小説「わろてんか」後、初ドラマ出演で、手術室の新人看護師・花房美和役を演じる葵わかな(19)も登壇した。【村上幸将】