日大アメリカンフットボール部の選手が悪質な反則で関学大の選手を負傷させた問題で、日大の内田正人前監督(62)と井上奨コーチ(30)が緊急会見した23日夜、プロ野球界のレジェンド、落合博満氏(64)が、大阪市内で、MBSテレビ番組に生出演し「普通に考えて、あっちゃならないこと」「プロでは絶対に起きないプレー」などと語った。

 番組は、同局スポーツ情報番組「戦え! スポーツ内閣」で、タレント武井壮(45)、ブラックマヨネーズの小杉竜一(44)が進行するもの。スポーツ各界から、大物がゲスト出演しており、この日は、落合氏が3度目の出演。緊急生放送として、番組冒頭、日大選手による悪質タックル問題を扱った。

 前日22日の日大・宮川泰介選手(20)の会見、この日夜の内田前監督らの会見を流した後、落合氏は「普通にあっちゃならないこと」とし、スポーツは「ルールの中でどう勝負つけるか。(監督らは、選手が)そういうことにならないように、ちゃんと説明し、これがスポーツなんだと理解させてやらなきゃいけない。そこが完全に抜けちゃってる」と指摘した。

 「つぶせ」の意味をめぐって、宮川選手と、日大指導部との間に溝が生まれている中で、そもそも、指導陣がアマチュアの選手に「原点」を指導していなかったと指摘した。

 3度の3冠王、監督としても日本一を遂げた落合氏は「20年前だけどね」と笑いながら現役時代を振り返り「頭ねらって、明日から試合出れなきゃいい、とか(監督が言うことも)何度もありましたよ。何をやっても勝たなきゃ、とか、そう言う監督もいっぱいいた。俺は嫌いだったけどね」。時代の流れから「でも、それは20年前の話。今、それを持ち出したら、世の中は許しませんよ」と言いつつ、プロとアマチュアの違いにも触れた。

 「でもね、あれは、プロでは絶対に起きないプレー。お互い、生活かかってるからね。いくら監督に言われて、やらなきゃぶん殴られても、生活があるから自制心が働く。そういうもの。でも(今回は)学生だから、従わなきゃいけない」

 学生スポーツゆえの悲劇だと指摘した上で「これを機に、学生も自分で考えてプレーするというね、いい教訓になれば」と話していた。