テレビ局から番組制作のを請け負う制作会社の労働環境をご存じでしょうか。先日、制作会社約120社が加盟する全日本テレビ番組製作者連盟(ATP)の会見を取材し、驚きました。

 ATPが16年6月から17年5月末にかけて加盟社に行い、回答のあった55社のアンケートによると、「法定時間外と休日労働を合わせた時間」が、プロデューサー(P)の平均時間が、月に52・85時間(回答26社)、アシスタントプロデューサー(AP)は42・04時間(回答21社)。ただ、ディレクター(D)は74・69時間(回答27社)、アシスタントディレクター(AD)は84・16時間(回答28社)で、ADは一般的に過労死ラインと言われる80時間を超えていると説明していました。

 会社の規模を示す従業員別では、10人以上50人未満の会社のDの平均は月に69・5時間、ADは74・75時間。50人以上の規模の会社はもっと過酷で、Dは88・21時間、ADは100・72時間と100時間を超えていました。

 最も長時間働いた社員の「法定時間外と休日労働を合わせた時間」の平均は、Dは月に169・64時間(回答26社平均)、ADは171・22時間(回答26社平均)だそうです。

 過酷な環境の中、我々、視聴者を楽しませてくれる番組を作っていると思うと頭が下がります。一方で、いくらテレビが好き、番組作りに情熱を持っていると言っても、このような環境では次世代を担う制作者は減っていくばかりで、育つどころではないと危惧されます。

 働き方改革が叫ばれる中、ATPは民放、NHKと改善に向けて話し合っているようですが、環境が改善され、それにともなって、これまでなかったような良質な番組が生まれることを期待したいものです。