テレビアニメ「まんが日本昔ばなし」で、市原悦子(82)とのコンビで語り手を務めた俳優常田富士男(ときた・ふじお)さんが18日午後、脳内出血のため、都内の病院で亡くなった。81歳だった。

 20年間コンビを組んだ市原は、常田さんの訃報に「びっくりしました。何よりも大事な相棒でした」としのんだ。市原の古稀70歳パーティーで常田さんがスピーチしたのが最後の対面となった。「存在感のある人で、ひと言ひと言が重く深い。足が地に着いたお百姓さんのような強さ、生き物を愛する気持ちが魅力で、まさに昔話に出てくるような人でした」。毎週火曜が録音の日。「常田さんは世の中や人生のことをまじめに40分ぐらい話して、それから録音でした。ひょうきんさもあって楽しく、密度が濃かった」。家族とも交流があったといい「優しくて怖い、いいおじいちゃんで、うらやましかった。あちらでお会いしたら、また一緒に昔話をやりましょうね」。