「喝采」「北酒場」など多数の歌謡ヒット曲を生み出している作曲家、中村泰士氏(79)が24日、大阪観光局で、「大阪観光大使」就任会見に臨み、日本と中国、台湾、韓国、北朝鮮、アジア5地域合同の「One Asia音楽祭」を来秋にも、大阪で開催する意向を明かした。

 ラグビーワールドカップ(W杯)で大阪がわく来年秋頃、同時期開催を目指したいという。

 奈良出身で、大阪在住の中村氏は「大阪へ歌謡曲の聖地を作りたい」と考えており、大阪観光局から大使に任命。同局と連動し、市内のキタ、ミナミにあるスナックを回り、カラオケ文化を軸に、歌謡曲の名曲を歌い継ぐ構想で合意した。

 中村氏は「飲んで歌うことは大好き」と言い、プライベートでもスナックへよく通う。最近「アジアの方もカラオケが好き。大衆にカラオケ文化は外せない。日本に来ている外国人の方と、夜はスナックに一緒に行って歌えば盛り上がる」と感じていたという。

 その流れの中から「ふと、アジア全体で音楽祭のように盛り上がれないか」と思いついたといい、今音楽祭を立案。日本を含むアジア5地域から歌手3人ほどをそれぞれ呼び、同時に各地域からも集客。まずは「2000~3000人規模で始めたい」と話した。

 長い作曲家活動の中で、中国、台湾、韓国、北朝鮮の各地域に知人も多いことから「あくまでも僕の知人に声をかけて、僕のネットワークで歌手、スタッフにも声をかけて実現させる。ラグビーのW杯にあわせて、一緒に大阪を盛り上げたい」と約束した。

 北朝鮮については、あくまでも国交正常化が成ると予測しての話だが、中村氏は「いずれは大阪城ホールで1万人の音楽祭にしたい。2年後か3年後にはできる」と、すでに手ごたえもつかんでいる。

 前日夜には早くも、音楽祭テーマ曲「One Asia(ワン・エイジア)」を完成させた。

 将来的には、大阪発で日本を中心にしたアジア全域の音楽イベントを手がけたい意向で、中村氏は「大阪発信なら、大阪出身の歌手に協力してもらいたい。今、天童よしみさんに『一緒に仕事をしよう』と声をかけています」と話していた。