上方落語家の桂文珍(69)が8日、大阪・なんばグランド花月で「第三十六回 88桂文珍独演会」を開いた。

 題名にもあるように、毎年8月8日の開催が恒例となっている同落語会。今年はゲストに柳家喬太郎を招き、「らくだが来た」「星野屋」「猫の忠信」の3席を披露した。

 1席目「らくだが来た」のマクラでは、開口一番に「えー…私が山根会長です」とあいさつ代わりのひとネタ。「久しぶりに濃いキャラクターですね」とボクシングの山根明氏の印象を話し、猛暑が続く中、よくお越し下さいましたと客席に感謝を述べたと思えば、「倒れても不思議じゃない暑さですからね。奈良の人は、倒れても勝つんだそうです」と続けて疑惑の「奈良判定」でもひとネタ。この日の正午すぎに辞任会見を開いたばかりである渦中の人物を話題に、会場を盛り上げた。

 明日9日から東京・歌舞伎座で、中村七之助らによって演じられる「心中月夜星野屋」のベースとなった古典「星野屋」などで満員の観客を楽しませた文珍。今年で36年目を迎えることに「日本で1番長いこと続いている落語会じゃないかと自負をしております」と話し、「せめて50回ぐらいまではやりたい」とさらなる継続にも意気込みを見せていた。