読売テレビ(大阪市中央区)は9日、毎年恒例の日本テレビ系「24時間テレビ41」(25、26日放送)の枠内関西ローカル企画として、26日午前11時27分から「11歳の全盲少年ドラマー 酒井響希」を放送すると発表した。

 大阪府立視覚支援学校に通う酒井響希さん(11)が憧れのレゲエユニット「Def Tech」と念願の共演を果たした模様が放送される。

 2歳にして、両眼性網膜芽細胞腫という小児がんで両目を失った響希さん。朝も昼も、口にしているものが何かも分からない。おもちゃで遊ぶことすらできず、当時2歳だった少年には苦し過ぎる現実の中で、彼の救いになったのは「音」だった。

 テレビから流れる音楽に合わせ、鉄製のマドラーで家中の壁や柱などが傷だらけになるまでたたいていた。そんな彼が3歳の頃、両親は「本人が興味を持つものは、できるだけサポートしたい」と自宅に電子ドラムを購入し、息子の興味を応援した。

 そして、響希さんがプロドラマーを目指すきっかけとなったのは13年12月、「4年後、ステージでドラマーとして共演しよう!」という「Def Tech」のメンバーMicro(37)の言葉だった。

 響希さんはその言葉を胸に、いつか「Def Tech」と共演できる日を夢見て、今まで以上にドラム練習に取り組むんだ。

 約束の言葉から4年が過ぎたこの夏、響希さんはついに憧れの「Def Tech」と共演を果たす。大歓声に包まれた夢のステージで、響希くんの大好きな楽曲「おんがく■MUSIC」を共に演奏する。

※■は連こう(桁)付き十六分音符