俳優の津川雅彦さんが今月4日に心不全のため死去していたことが7日、分かった。78歳だった。俳優仲間からおくやみの声が多数寄せられている。

 津川さんとNHK大河ドラマ「葵(あおい) 徳川三代」など多くの作品で共演した俳優の西田敏行(70)は8日、「作品ごとに違う津川雅彦さんを目の当たりにして、津川雅彦という俳優の底知れぬパワーに驚愕(きょうがく)しました」と述懐。「本当に大人でした。巨星落つ。先輩ありがとうございました」とコメントを発表した。

 03年のNHK大河ドラマ「武蔵 MUSASHI」で共演した歌舞伎俳優市川海老蔵(40)は、ブログで「よく食事に誘っていただきました」「優しく大きく大胆でカッコよく、心配りが繊細で素晴らしい大先輩でした。心からご冥福をお祈りいたします」と故人をしのんだ。

 90年のTBSスペシャルドラマ「源義経」で共演して以降、公私ともに親交が深かった東山紀之(51)は、所属事務所を通じて書面でコメントを発表。「時には厳しく、時には優しい言葉で、俳優こそ知性を磨く努力が必要だと、いつも教えられてきました。本当の父親以上の存在でした」と振り返った。そして「今頃は朝丘(雪路)さんと仲良く手をつないでいるかな。おふたりには感謝しかありません。津川さんの遺志を継いでいきます」と誓った。

 87年の映画「別れぬ理由」での夫婦役など共演作が多かった三田佳子(76)は「1歳違いの津川さんとは、同じ映画の世界で育ち、同じ時代の流れの中を生きてきました。最近、体調を崩されていることは知っていましたが、仕事に入ると全てを乗り越えまい進される方でしたので、きっとまた良いお仕事を見せてくださると信じていました」と残念がった。

 プライベートでも親交があった俳優でシンガー・ソングライターの泉谷しげる(70)は8日、ブログを更新。「さすが日本の娯楽映画のスタイルを創りあげたマキノ一家に生まれた者だけあって、映画づくりが本当にウマかった! 津川センパイに食事を誘われるたび~オイラは津川雅彦…あいやマキノ雅彦監督の次回作に出演したいと云ってたもんさ」と振り返った。そして「あの時代を生きた映画放蕩遊び人は『宵越しの金を持たない』とばかり散財して来てるが『役者ごときエラソーになったらオシマイだぁな』が口グセだった津川センパイ、やたら偉ぶるモンをコテンパンにやっつけてたっけ」「博学で歴史を語り出したら止まらないが、話っぷりが面白く実にチャーミングでオシャレな津川雅彦だったのだ」と故人の人柄に触れると、「今どきは78はまだ若いと思うンだけどなセンパイ もう“遊び”に誘われなくなるのが寂しい限り 心よりの哀悼を」と思いをつづった。