7月22日に契約満了し、大阪・ミナミの常設演芸場「道頓堀角座」を閉館した松竹芸能は、新たな試みとして「松竹演芸祭 in MOVIXあまがさき」(10月21日、兵庫・尼崎)を立ち上げ、20日、大阪市内で発表した。会見には、酒井くにお・とおるら所属芸人、代表取締役社長の関根康氏(62)が出席した。

 今回発表された公演は、同一施設に複数スクリーンがある映画館、シネコンとコラボし、映画館でお笑いライブを行うもの。松竹にとって初の試みで、「角座」閉館に伴う公演数減少に歯止めをかけるねらいだ。

 関根社長は「映画館のお客さんの中に彼ら(芸人)が飛び込んでいくと、どういうことが起きるのか、実験的に始めてみよう」と経緯を説明。第1弾公演を行う兵庫・尼崎の映画館など、全国に約30カ所の映画館を持つ松竹芸能のグループ会社SMT(松竹マルチプレックスシアターズ)と協力し、「うまくいけば、いろんな映画館を使って。若手が新しい試みを試すなど、新しいコンテンツが生まれてくるといいなと思う」と力を込めて話した。

 出席した酒井くにおは「芸人にとって舞台があることは1番ありがたい。一番の希望。板の上で漫才ができるのは一番うれしい」と喜びを語った。

 「角座」に変わる新たな常設演芸場について関根氏は「どこかで発表できるようになると思う。前向きに進行中です」と話した。