女優吉岡里帆(25)主演のフジテレビ系連続ドラマ「健康で文化的な最低限度の生活」(火曜午後9時)の28日放送の第7話の視聴率が5・3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)だったことが29日、分かった。前週より0・4ポイントのアップとなった。

視聴率は初回から7・6、5・5、5・8、5・5、4・8、4・9%だった。

義経えみる(吉岡)は、安定を生活を求めて東京都東区役所に就職、公務員になった。だが、最初に配属された「生活課」で待ち受けていたのは、個性豊かな職場の仲間たちと、生活保護の壮絶な現実だった。彼女が担当する110世帯の生活保護受給者たちには、知れば知るほど奥の深い、それぞれの人生があった。原作は週刊「週刊ビッグコミックスピリッツ」に連載中の柏木ハルコ氏の同名コミック。

生活保護受給者の阿久沢正男を演じている遠藤憲一(57)は、田中圭、井浦新、山田裕貴らイケメンの共演者に囲まれて「イケメン俳優とは真逆の俳優です」と苦笑い。「スーツを着ていますが、仕事にあぶれた受給者です。受給者は、こんなヒトデはありませんと思う人は、役作りした遠藤憲一まで抗議を。吉岡(里帆)ちゃんとの絡みで楽しい、本当に幸せな毎日を送っています」と話している。

第7話は、えみる(吉岡)の同期で頭脳明晰(めいせき)な優等生・栗橋(川栄)は、その豊富な知識と福祉に対する高い意識でバリバリと仕事をこなす、同期随一の“できる”ケースワーカー。ただ、優秀すぎるが故に、“できない”人の気持ちが分からないことがある。利用者に全身全霊でぶつかり、笑顔で接するえみるに対して、人知れずコンプレックスを感じていた。

そんな栗橋が頭を悩ませていた利用者が中林吉徳(池田鉄洋)だ。姉を一年前に亡くして以来、働く意欲が全く感じられない。このままでは税金のムダ遣いにしかならないと考えた栗橋は、求職活動をするように口頭で指導。しかし中林は求職活動をしなかったため、栗橋は生活保護廃止につながる内容を文章化した“指示書”を発行。すると翌日、“指示書”を持って中林が役所を訪れた。離席中だった栗橋に代わって、中林から偶然話を聞いたえみるは、中林が文字が反転したり、ゆがんで見えたりする発達障害の1つ“識字障害”だと知った。

「ハリウッドスターや有名人もカミングアウトしてる」とえみるが語る通り、識字障害のある人は一定の割合で存在する。しかし、字の読み書き以外のことは普通にできるため、気付かれにくいのだ。苦しみ抜いて生きてきた中林の事情も知らず、一方的に保護を打ち切りかけた栗橋は落ち込んだ。先輩ケースワーカーの半田明伸(井浦新)や同期のメンバーも彼女を心配した。

しかし、翌日には、栗橋は完全に立ち直っていた。識字障害について猛勉強し、中林の障害者手帳の取得を可能にした上で、理解ある就労先を見つけるために動き回る。自らの信念に従い、ケースワーカーとしてのミッションを果たそうとする栗橋。しかし、肝心の中林とは、全く気持ちが通じ合っておらず、問題はさらに大きくなる。コンプレックスを克服できずにもがく栗橋に、えみるは友人として言葉をかける。

そして、えみるは、街中で娘の麻里(阿部純子)といっしょにいる生活保護受給者の阿久沢正男(遠藤)に遭遇する。2人がこれから一緒に暮らすと聞くと「本当に良かった!」と涙を流しながら大喜びするえみるだが、麻里は…。