新派11月公演「犬神家の一族」(大阪・松竹座=1~10日、東京・新橋演舞場=14~25日)の会見が30日、都内で行われた。映画が大ヒットした横溝正史氏の同名小説の舞台版。

金田一耕助役の喜多村緑郎は「昨年、『黒蜥蜴』で明智小五郎をやって、今回はあこがれの金田一耕助。で、若い頃からの念願がかなった。昨年12月から髪を伸ばしているけれど、なぜかかゆくて、よく頭をかいています」。犬神家の三姉妹の長女松子役の波乃久里子は「原作を読んで、古風だし、歌舞伎的な感じもあって、新派にぴったりの題材だと思った。どうしてもっと早く新派でやらなかったのか。それに金田一役も、すぐに(喜多村)緑郎さんが頭に浮かびました」。

そのほか、物語の鍵を握る琴の師匠に水谷八重子、三姉妹の三女梅子に河合雪之丞、次女竹子に瀬戸摩純、松子の息子の佐清と謎多き静馬の2役に浜中文一、橘警察署長に佐藤B作が出演する。