今秋、3度目の台湾公演として上演される宝塚歌劇の星組公演「Thunderbolt Fantasy東離劍遊紀」「Killer Rouge/星秀☆煌紅」が31日、大阪・梅田芸術劇場で開幕した。

星組トップ紅(くれない)ゆずるは、13年の初回公演以来、5年ぶりの台湾公演。今大阪公演はそのプレ公演で、台湾の伝統的な人形演劇「布袋劇」を原作にした初ミュージカルに挑戦。5組最上級生トップは、悪人や欲を抱く者たちをこらしめて楽しむ謎多き主人公・凜雪鴉(リンセツア)を演じた。

魔界も現れる異世界で、個性豊かな登場人物が多様な魔剣を操る武侠ファンタジー。紅は「最終的に悪役かヒーローか分からない、そんな謎めいた部分を出せたら」と言い、役作りに励み、直接戦わずして、不気味な存在感を発揮する主人公を好演した。

ショーは前回の大劇場公演作に、現地のヒット音楽を織り交ぜ、現地の言葉でも歌う場面など、新演出を加えた10分拡大版。紅が客席案内係に“女装”したファンにはおなじみの「紅子」も登場。「紅子、海を渡る。台湾にも行きます」と高らかに宣言した。

今作は大阪公演後、東京公演を経て、10~11月に台湾各地で公演予定。宝塚の台湾公演は元星組トップ、柚希礼音主演の13年が最初で、紅も2番手として出演していた。その後、15年に花組トップの明日海りお主演公演が行われ、今回が3度目。台北市とともに、初めて高雄市でも上演される。

紅はこの日、大阪公演の初日を終え「この作品は台湾まで参ります。まずは日本のファンの方にも楽しんでいただけますよう、台湾の、最後の最後の千秋楽まで成長できるよう、日々、高みを目指して進んでいきます」と約束した。

梅田芸術劇場公演は9月6日まで、東京・日本青年館ホールは9月13~24日。台湾公演は「國家兩廳 院國家戯劇院」で10月20~28日、「高雄市文化中心 至徳堂」で11月2~5日に上演される。