歌手高橋真梨子(69)が8月31日、神奈川・相模原市の相模女子大学グリーンホールで、ソロとして3000回の節目となる公演を行った。

最初のあいさつで「ソロになって3000回公演の記念すべき日です」と約2000人のファンに伝えると、会場が大きな拍手に包まれた。「外は暑いけれど、今日を違う意味の『熱い日』にして一生懸命に歌います」と続け、新アルバム「カタルシス」の収録曲「雲母の波」「カリソメ」や、ヒット曲「桃色吐息」「ごめんね…」など23曲を約2時間かけて披露した。

客席から「今日も世界で一番かわいいで~す」と声がかかると、ステージでフルートなどを演奏している夫のヘンリー広瀬(74)に「ダンナはどうなの?」と笑顔で質問。「僕もそう思っています」の返事に照れるシーンもあった。

73年「ペドロ&カプリシャス」の2代目ボーカルとしてデビューし78年にソロ転向。翌年6月に東京・有楽町の読売ホールで行ったのが初のソロ公演だった。それから40年かけてたどり着いた金字塔。所属レコード会社によると、2000人以上収容の大規模ホールで、年間25公演以上を40年も続けている女性ソロ歌手は高橋しかいない。終盤には「来年にはラッキーセブン(70歳)になります。これからも1日1日、1本1本のコンサートを大切にしていきます」と誓った。

この日で、ソロ公演の動員数は693万人を突破し、来年の700万人動員も見えてきた。「あらためて、来ていただいたお客さまへの感謝の気持ちでいっぱいです。お客さまの顔を見ると元気をもらえる。これからも前を向いていきます」。ソロになって40年。レコードデビューからだと45年。希代の女性ボーカリストは、ファンへの感謝の思いを胸にこれからも走り続ける。【松本久】

<高橋真梨子の「すごい」>

▼最年長記録 15年に発売したカバーアルバム「ClaChic」が、オリコントップ10入りの女性部門最年長記録(66歳3カ月)。10年に「No Reason2」で作った自己記録を更新した。17年のNHK紅白歌合戦に68歳9カ月で出場。これも自身の最年長記録を更新。

▼日本人で唯一 「音楽の殿堂」と呼ばれる米カーネギーホールの大ホールで日本人で唯一、3回(93、08、16年)の公演を行った。

▼主題歌25曲 300曲を超えるソロ作品中、150以上の楽曲で作詞を手掛け、ドラマや映画の主題歌を25曲担当。