いじめ、パワハラ、コンプライアンス、うそ、炎上…笑えない出来事ばかりの世の中を、全て笑いに変えてくれるのが安田大サーカスのクロちゃん(41)だ。そのクロちゃんが主役のDVD「水曜日のダウンタウン<10>」が26日に発売される。TBS系「水曜日のダウンタウン」(水曜午後10時)のクロちゃん企画のスペシャル版だ。

ベッドの足元に「起きたら人がいる」、探偵に24時間監視されてツイートされる「リアルクロちゃん」、部屋の荷物が全部運び出されても「寝たら起きない王選手権」、ツイッターの予言が現実になる「ヒューチャークロちゃん」で、そのクズっぷりと天然っぷりを暴露されて、笑いの渦に巻き込んでくれる。

DVDでグラビアアイドル小林レイミ(27)に、酔っぱらって「なめるのが好き3時間なめて、クビがつったことがある」と自身の性癖を思いっきり暴露するクロちゃん。「そんなこと言ってないから。オンエアできるわけなじゃない」と言いながら、未公開映像だと気付くと「やってくれた! 狂ってる!」と絶叫する。

ウオーキングすると言いながらタクシーに乗ったり、ダイエットのためアイスだけと言いながら牛丼、おでんをむさぼり食う「うそつきツイッター」で、そのクズっぷりが暴露されている。「うそはついてないツイートした後にしんどくなっただけ」とかわいい声で抗議するが“悪い顔”になっている(笑い)。

それでもレイちゃま(小林)を口説くために、バカラのシャンパングラス、サダハル・アオキのボンボンショコラ、ブルーローズとプレゼント攻勢をかけて涙ぐましい努力をするクロちゃん。モテるためにアロマコーディネーターの資格まで取って「エッチな気分になる匂い」をブレンドまでする。このDVDはある種、「クロちゃんの女の口説き方講座」になっている。

だが、そんな努力も実らずドッキリで落とし穴に落とされて失恋。徳永英明の「レイニーブルー」を泣きながら♪レイミーブルーと歌うのは、涙と笑いなしでは見ることはできない。と、その直後にほかの女子に電話するクズっぷりも最高だ。

何よりすごいのが、目隠し、拉致、盗撮、住居不法侵入、偽アカウント、落とし穴と、最近の地上波テレビでは「アカンやろ」と炎上して、やりにくくなった手法が大胆に使われている。全てを黒くて丸くて大きな、芸人として希有(けう)な才能を持ったクロちゃんが、爆笑に変えてしまう。「水曜日のダウンタウン」に登場してからの3年間で、ツイッターのフォロワーが8万人弱から37万人強に増えた。「アンチが増えて、ファンも増えた。評価されるのはうれしいけど“やった感”がゼロ。スタッフも一緒に仕事をしてるのに、全然距離が縮まらない。食事とかもしたいのにね」。ガチ相撲企画で話題を呼んだ「クイズ☆タレント名鑑」などを手掛けた藤井健太郎プロデューサー(38)にいたっては、ツイッターをブロックしているという。

最近では安田大サーカスを離れて、ピンでの仕事が多い。解散説も流れるが、クロちゃんは「それはないから! ヒロくんが病気になったりしたから、頑張って名前を守ってるつもり。まだ、1人やっていく自信もない」と即座に否定。そしてすぐに「あと3年くらいしたら卒業して、2人をイベントに呼べたらいいな」と悪い算段を口にしている。

クロちゃんには夢がある。10年前にNHK Eテレ「天才てれびくんMAX」に出演した経験を踏まえて「学生時代に児童自立施設へ実習に行ったり勉強してたから、子供と触れ合うような番組をやってみたい。『水曜日-』で下がった好感度も上がるしね」と笑う。そして嫁探しも、絶賛募集中。「かわいいギャルを探しています。20歳から23歳で、車の免許を持っていて、PCと家電を扱えて、収入も多い人がいいな」と真顔で言う。全てを受け入れ、笑いに変える「笑いのブラックボックス」だ。