歌手安室奈美恵(40)が2018年9月16日をもって引退した。沖縄・宜野湾トロピカルビーチ特設会場では、引退を記念した花火大会「WE■NAMIE HANABI SHOW」が行われ、安室の楽曲13曲に合わせながら、1万2000発の花火や噴水ショーに、会場の1万5000人に加えて、周辺含めて3万人が集結。安室は当初、会場には現れないと告知されていたが“お忍び”でファンと一緒に観覧席から花火を楽しんだ。ファンの前でのラストステージは、前日15日の前夜祭となった。

会場内外から大きな「ナミエコール」が起こる中、故郷沖縄の空に、1万2000発の花火が咲いた。午後7時30分、歌手安室奈美恵は、完結する時を静かに会場の中で迎えた。

スーパーモンキーズ時代の「TRY ME~私を信じて~」から代表曲「Body feels EXIT」、新曲「Do It For Love」など13曲が次々と流れる。ファンは時に口ずさみ、時に見入った。

ライブで披露するときは、ステージをダッシュするのが恒例となっている「Chase the Chance」では、まるで安室が走っているかのように花火が流れて打ち上がるなど“ライブ”さながらの演出もあった。

最後に流れたのは「Finally」。さらに、今年6月3日に東京ドームで行われたドームツアー最終日公演の際のMC「最後は、笑顔で。みんな~元気でね~! バイバーイ!!」と言う安室の声が場内に流れた。勢いよく数え切れないほどの花火が上がり、大きな拍手と「安室ちゃん、ありがとう~!」の歓声が起こった。

安室はこの日、午後11時ごろ、公式サイトなどでコメントした。「引退という選択をした私に対し、ファンの皆さんにもいろいろな感情があったかと思います…。実りある25年間をファンの皆さんと過ごせた事、応援してくださり、支えてくださった事、あらためて感謝の気持ちでいっぱいです」などと、ファンに感謝を伝えた。

当初は、安室が花火大会には出演しない旨が告知された。実際にファンの前には姿を見せなかったが、観覧席の後方に浴衣姿でこっそりと訪れた。常々、ファンと一体感を感じられるライブが「自分の居場所」と話しており、ファンと同じ空間で、引退までの残り少ない時間を楽しんだ。

シングル売り上げ1768・5万枚。アルバム売り上げ1850・4万枚。10~40代まで全てでミリオンヒットを記録するなど、数々の伝説を残した平成の歌姫。最後までファンを楽しませて「さよなら」を告げた。

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