岡田准一(37)が19日、都内で行われた主演映画「散り椿」(28日公開)の公開直前イベントに、西島秀俊(47)木村大作監督(79)と出席した。夫婦愛を描いた作品で、木村監督の映画人生60周年にかけ、60歳以上のシニア夫婦が試写会に招待された。

イベントは序盤から木村節が全開だった。今作には監督、撮影のほか、武士の榊原平蔵役で出演もしており、開口一番「榊原平蔵役の木村です。雨の降る中、切られる役をやりました。俳優でも出ております」とあいさつ。岡田、西島はもちろん、場内を爆笑に包んだ。

木村監督は終盤の大事なシーンに出演しており、その場面は岡田がカメラを回したという。岡田は「冗談ではなく、切られる役で出てらっしゃって、そのシーンをカメラで撮っているんですけど」とポロリ。「(監督が)僕に『俺の死ぬところを撮れ』と言うんです。それってすごく、いろんなことを考えさせられる言葉なんです」と神妙な面持ちで語った。一方で、「その日、僕は休みだったんですよ(笑い)。でも呼び出されて、彦根の方まで行って撮っています」とも明かした。

すると木村監督も、とっておきのエピソードで応じた。「その時の西島さんのアップも、岡田さんが回してるんです」と裏話を披露した。「豪雨で(西島の)表情は見えないし、血のりがかかってるんだけど、ほとんど(画面に)映っていなかった。テストの時に岡田さんが『何も見えません』と叫ぶので、『心の目で見ろ!』と怒鳴りました」。映画人らしい言葉に、客席は大きな拍手に包まれた。

モントリオール映画祭で審査員特別賞を受賞した作品で、この日は賞状が初お披露目された。岡田は「大作さんの力になれるという思いで参加しているので、世界で評価されるというか、伝説を作る大作さんの力になれたらうれしいと思っています」と、木村監督の快挙を絶賛した。一方で、西島は「『映画祭、行って下さいよ』と言ったんですけど、『めんどくせえ。たばこ吸えないし、いいよ』って言って、行かなかったんですよ」と、木村監督が映画祭に出席しなかった裏事情? を暴露。すると木村監督は「俺が行ってたら、金メダル(作品賞)を取れてたかもしれないな」と豪快に笑っていた。