元AKB48渡辺麻友(24)が19日、東京・神宮球場で行われたプロ野球ヤクルト-阪神戦で、始球式に初挑戦した。この日の試合は「『ヤクルトのはっ酵豆乳』ナイター」と銘打たれており、渡辺は同商品のウェブ動画に出演している。

この夏、東京近郊のスタジオで行われたウェブ動画の撮影現場を取材した。昨年末をもってAKB48を卒業後、ミュージカル「アメリ」や、フジテレビ系ドラマ「いつかこの雨がやむ日まで」で主演するなど、女優としてのキャリアを着々と歩み始めている。アイドル時代に鍛えられた豊かな表現力で、順調に撮影を進めていた。

卒業後、広告関連では、「ヤクルトのはっ酵豆乳」と「ヤクルトレディ」のウェブ動画に出演している。個人的な印象だが、もっと出演が増えてもいいような気もする。関係者に聞くと、スポンサーや代理店側にとある“先入観”があるのだという。

渡辺はじめ、前田敦子や大島優子ら「神7」と呼ばれるメンバーが多数在籍していた当時、AKB48はCMに引っ張りだこだった。渡辺も、AKB48としてNTTドコモやカゴメ、アサヒ飲料など、多数のCMに出演していた姿が記憶に新しい。広告業界全体に、当時の印象がまだ強く残っているのだという。

広告業界では、ある企業のCMに出演中のタレントは、同業種の企業の商品を使用したりできない、などの厳しい契約が交わされることも多い。ましてや、ライバル企業のCMに出演するなどもってのほかだ。関係者は「『渡辺さんはまだ●●社と契約しているんですよね?』『てっきり、ライバル社のCMに出演中かと思いました』とよく言われるんですよ」と明かした。

AKB48時代の11年間、徹底したプロ意識でノースキャンダルを貫き通し、正統派アイドルとして活躍した渡辺は、もともと企業にとってイメージがいいタレントだ。広告代理店関係者は「渡辺さんに頼もうと思って、『あれ? もう他の企業のやつ出てなかったっけ?』と思って、二の足を踏んだことはあります」と明かす。社会現象となったAKB48の大フィーバーは、意外なところまで影響を及ぼしていた。