門脇麦(26)が主演した映画「止められるか、俺たちを」(10月公開)の完成披露試写会が20日、都内で行われた。

映画の舞台は69年の若松プロ。「ピンク映画の黒沢明」と呼ばれ、6年前に亡くなった若松孝二監督(享年76)と個性的なスタッフたちの青春群像が、門脇演じる助監督の目を通して描かれる。

若松監督役の井浦新(44)は「僕にとって恩師、父のような存在。自分の中に残っていた『若松監督』が撮影中にあふれ出した。夢のような現場でした。先輩たちへの意地で絶対にものまねのような演技はしない、と言っていたけど、結局ものまねになってしまったかもしれません」と苦笑いした。

白石和弥監督(43)は「スタッフ、キャストのほぼ全員が若松監督の弟子すじ。大手の映画会社とは違うタイトルのような思い。こんなに衝動に駆られながら撮った映画は初めてです」と感慨深げだった。

門脇は「若松さんとゆかりの方々の思いには全然勝てませんが、当時何にも知らずに若松プロに飛び込んだ女性助監督の境遇に近いものがあると思ったので、『吐きそうだ』と緊張する新さんを横目に頑張ることができました」と振り返った。