朝日放送テレビ(テレビ朝日系)が21日、大阪市福島区の同局で秋の改編会見を行い、昨年10月から8回特番として放送されてきた「ポツンと一軒家」(日曜午後7時58分=全国)のレギュラー決定を発表した。番組は10月7日スタート、初回は午後6時30分から2時間半枠で放送される。

スタッフがグーグルアースで、日本各地の人里離れた場所に「ポツンと」たたずむ一軒家をリサーチ。衛星写真だけを手がかりにその家を訪ね、そこに暮らす住人から人生観、暮らしぶりなどを掘り出していく画期的な番組で、番組の植田貴之チーフプロデューサー(CP=44)は「到達率は1割程度ですね」と苦笑しながら話す。

スタッフはカメラ、ディレクターら原則3人で1班を組み、6チームが稼働。スタッフ約20人が「グーグルアースで該当の家を探して、行く道の目星をつけては出向き、地元の人から情報を得ながら探し歩いている。頭の中で、ほぼ毎日、何か、番組のことを考え、動いている」そうだ。

山道もあれば、道なき道もある。到達してみないと、人が住んでいるかは分からないため、道中そのものがロケ。採用率1割の過酷ロケで得た映像を、MCの所ジョージ、パネリストの林修氏が紹介していく。

植田CPは「その映像からそこに住む人の人生観、生き方を伝えられたら」と言い、人間ドラマの側面もある。8回特番の平均視聴率は関東で13・2%、関西12・1%(ともにビデオリサーチ調べ)と好調で、レギュラー化が決まった。

毎週の放送が決まり、所は「捜索隊であるスタッフに、どんな険しい山道でも走れる四駆の取材車『ポツンと号』を用意してもらって、うかがった先(で聞き込みをさせてもらう)住人の方々に『あ、ポツンと号が来たぞ』ってうわさになるぐらいの装備がほしい」とリクエスト。

林氏は「私はどこへ行ってもコンビニを探すし、携帯電話の電波が通じないところでは生活できない」と言う一方で、番組を通じた人生の再発見に言及。「一軒家での暮らしを見ていると、さまざまな生き方があることを思い知らされます。その中に必ずと言っていいほど感動があり、老後をどう生き、どう充実させるか、自分にとっての正解を考えさせられるのもこの番組です」とコメントした。