中村梅玉(72)らが21日、東京・赤坂の豊川稲荷東京別院で、国立劇場11月歌舞伎公演「名高大岡越前裁」(3~26日)の成功祈願を行った。

別院には大岡の位牌(いはい)をまつる「大岡廟(びょう)」があり、大岡役の梅玉、対立する天一坊役の市川右団次(54)、伊賀亮役の坂東弥十郎(62)が仲良く手を合わせた。

梅玉は「人間的な深みある、面白い役。イメージを壊さないように、さっそうとした越前にしたい」と言えば、46年前に父坂東好太郎さんが演じた役に挑む弥十郎は「気品もあり、頭の良さが見えるように」。46年前に大岡の息子役で初舞台を踏み、今回は天一坊役の右団次は「師匠(市川猿翁)も演じた大役。本当は悪いやつじゃないけど、青年ゆえの浅はかさを出したい」。今回の舞台で息子役に挑む右団次の長男市川右近(8)は「お父さんには負けません」と力強く宣言した。