カンテレ開局60周年を記念した特別ドラマ「なめとんか やしきたかじん誕生物語」(11月放送、関西ローカル)の取材会が22日、大阪府内で行われ、主演の駿河太郎(40)らが出席した。故やしきたかじんさん(享年64)と親交があった笑福亭鶴瓶を父に持つ駿河が、14年1月に亡くなった「関西の視聴率男」の半生ドラマに臨む。

取材会には親友役で出演する大東駿介(32)、中村ゆり(36)ら共演者も出席した。

歌手から司会業までマルチに活躍。広く愛されたナニワの大スター、たかじんさん。その知られざる下積み時代から晩年までを、著書や親しい関係者らへの取材をもとに、フィクションとして制作し、ゆかりのある豪華出演者らがドラマに色を添える。

「関西でたかじんさんを演じるのは、かなりのプレッシャー。楽しみな反面、賛否両論もあると思う。不安な部分は確かにあったが、こんな機会はなかなか無い」。駿河は、オファーを受けた感想をこう語った。

本人に直接会ったことは無いといい、「MCをやって、いろんなものをバサバサ斬ってという辛口なおっさん」のイメージだったという。しかし、このドラマの台本を読んで「人それぞれに人生があると思った。こんなに売れない時期があったんだと初めて知った」。駿河自身も俳優に転向する前、20代の頃にはバンドマンとして売れない苦しい日々を経験してきた。「すごく親近感がわきました。半分、自分のことのように感じる。悔しい気持ちがすごく良く分かる」と思いを重ねる。

番組の木村弥寿彦監督によると、病床のたかじんさんがドラマに出演していた駿河を見て、「俺の若い時に似ている」と話していたという。駿河は、病と戦う生前の姿を演じるため、8キロもの減量を行ったとも明かした。

劇中では、たかじんさんの名曲「東京」「やっぱ好きやねん」などを歌い上げるシーンも見どころのひとつ。親友役で共演する大東駿介が「レコードにしたら?」と大絶賛するほどだ。駿河は「たかじんさんが好きだった視聴者の方々も、楽しめる作品になるんではないかと思う」とアピールした。

また、大東も、たかじんさんは「テレビでしか拝見したことがない」そうで「たかじんさんのことを聞いて、どんどん自分の中で像が膨らんでいった。その課程がめちゃくちゃ面白い」。たかじんが一目ぼれしたヒロインを演じる中村ゆりは、「だいたいの人がテレビに出だしてからのたかじんさんの認識だと思う。若い時から売れるまでは、初めて描いていると思うので、そこが今回の見どころです」と話した。