全日本国民的美少女コンテスト・グランプリから6年、吉本実憂(21)が自在なイメージチェンジでとがった演技を見せている。11月公開の主演映画「レディinホワイト」(大塚祐吉監督)では、パワハラ全開の上司の上をいく毒気たっぷりの新入社員を演じた。

「監督から『主人公は憎まれやすいキャラだから、まずはぽっちゃりと太れ!』と言われて1週間で5キロ増やしました。太るとまぶたがふっくらしたり、私けっこう見た目が変わるんですよ」とこの年齢で女優根性が据わっている。「いや、太るのは全然簡単なんです。食べるのが好きで、しかも白米が好物ですから。夜中に食べればすぐに太れます。そこに水を多めに飲めば、あっという間にぷっくりしますから」とあっけらかんと言う。

昨年の主演ドラマ「クズの本懐」(フジ系)でも大変身した。「役柄に合わせてロングだった髪を30センチくらいばっさり切ったんです。不思議と背中が軽くなりました。周りのことを全然気にしていなかった小さい頃と同じ髪形だからかもしれませんね」と振り返る。

今でこそ「撮影現場が楽しくて仕方ない」というが、デビューは15歳。「もともと人見知りな方だし、大人社会はやっぱり窮屈でした。今回の主人公のように毒気のあることは口にしませんけど、正直に言えば心の中で思ったことはありましたね」と苦笑いする。

今回の共演はベテランの吹越満(53)や個性派の波岡一喜(40)。「セリフのやりとりというより、何か引き出される感じでした。私が言うとあれですけど、実力者にはそういう力があるように思います」。

今後については「殺陣のレッスンを集中的にやっていて、時代劇に挑戦してみたい」。変身願望は強い。【相原斎】

◆吉本実憂(よしもと・みゆ)1996年(平8)12月28日、北九州市生まれ。12年8月、米倉涼子、上戸彩らを輩出した「第13回全日本国民的美少女コンテスト」でグランプリを獲得し芸能界デビュー。14年3月、同コンテストのファイナリストで結成したX21「明日への卒業」でCDデビュー。同年にはNHK大河ドラマ「軍師官兵衛」にも出演。160センチ。血液型AB。