女優真由子(44)が16日、都内で、「2018年度国際交流基金賞授賞式」に出席した。今年8月、心不全で死去した俳優津川雅彦さん(享年78)が同賞特別賞を受賞し、代理での出席だった。

父の死後、取材に応じたのは初めてで、「私にとっては世界一の父でした」と話した。「父が生きた功績としてこのような賞をいただけるのは光栄です。亡くなると形が残らないので、忘れ去られてしまわないように、父の功績を語ることで津川雅彦を生き続けさせられたらと思います」と涙声で話した。

今年4月には、母の朝丘雪路さん(享年82)も亡くしている。お別れ会については、「考えてはいますが、まだお話しできる段階ではありませんので」と話した。

津川さんは生前、「日本の素晴らしい文化をもっと世界に発信すべき」と力説し、総理官邸に設けられた「日本の美総合プロジェクト懇談会」の座長を務めていた。また、現在フランスで開催中の日本の文化・芸術の祭典「ジャポニスム2018」は津川さんの思いを具現化したもので、開催に尽力していた。亡くなる2週間前には、事務局を訪ねていたという。同賞は生存者が対象ということから、特別賞の受賞となった。

真由子は受賞の代理スピーチで「父は日本が大好きで、日本人で良かったと言っていました。その上で、日本の伝統文化も広めたいとずっと話していました。父の夢が実現しました。父が生きた功績がこの先ずっと生き続けると思うと、うれしく思います。父も身に余る光栄と思っているでしょう」と声を震わせた。

そんな父の影響で、真由子は幼少期から三味線、日舞、歌舞伎など日本の伝統文化に接していた。「でも中学まではアメリカンスクールでした」とほほ笑み、「その分、外から日本の良き伝統文化に興味を持てたと思います」と話した。

真由子はこの日、津川さんがこだわった日本の伝統文化にちなんで、黒い着物で出席していた。

国際交流基金は、1973年から学術や芸術などさまざまな文化活動を通じて、日本と海外の相互理解促進に長年にわたり顕著な貢献をした個人または団体に同賞を授与している。