今年初頭に制作が発表された「くまモンアニメーション」に関する記者会見が18日、熊本県庁で行われ、蒲島郁夫同県知事(71)、放送作家でくまモンの生みの親である小山薫堂氏(54)が出席した。

11年3月の九州新幹線全線開業をキッカケに、同県の営業部長兼しあわせ部長というPRキャラクターとして誕生したくまモンは現在、国内はもとより世界中で愛されている。

小山氏は、ここ数年、多方面からアニメ化の売り込みが多かったと話し、プロジェクトが正式にスタートした昨年から「世界的視野での制作体制で、世界に通用する作品にしたかった」と経緯を説明。そして原案や構成、デザインなどを、ピクサーでヒット作を手掛けた堤大介監督とロバート・コンドウ氏が担当すると発表した。

2人はピクサーでアートディレクターを務め、「トイストーリー3」などを手がけたトップクリエーター。独立後、アメリカを拠点とするアニメーションスタジオ「トンコハウス」を設立し、活動を行っている。最近の作品「ダム・キーパー」では、「第42回アヌシ-国際アニメーション映画祭」でTV部門クリスタル賞を受賞した。

報告を受けた蒲島知事は「今年はくまモンの大いなる挑戦の年にすると約束した。その1つがアニメ化で、今日はそのお披露目。記念すべき日になった」と喜び、世界的なクリエイターの参加に、「そうそうたるメンバーで構成された制作委員会に期待している。(アニメを)アジアだけでなく、世界に広げたい」。また、アニメのキャッチコピーとなっている「幸せって、なんだろう」というテーマには、「県民に愛される熊本の宝が、これからはアニメを通して世界の宝になることを期待している」と意気込みを語った。

VTRでコメントを寄せた堤監督は「くまモンという世界的に有名なキャラクターをアニメ化するうえで、テーマは『幸せ』だと考え、エピソードを考案している」とし、新たなキャラクターを登場させる予定も明かした。

力強いバックアップに小山氏は「我々が当初から掲げていた『幸せは最大の財産であり、それを創出することがくまモンの価値』という考えとぴったりでとてもうれしい」。アニメのキービジュアルとなるパネルを持って登場したくまモンも「みなさんに見て欲しかモン」と身ぶり手ぶりを交えてアピールした。