17日に全国ツアーのさいたまスーパーアリーナ公演を急きょキャンセルした歌手の沢田研二(70)が21日、キャンセル公演の次開催となる大阪公演が会場の「SAYAKAホール」(大阪府大阪狭山市)でスタートした。

この日、午前11時すぎ、テレビカメラ10台以上、30人を超える報道陣が詰めかけていた中、沢田は車で会場入り。楽屋口近くの裏口とスロープで地下に入る表口に報道陣が分かれていたが、表口から会場入り。地下駐車の奥で車を降り、報道陣の前に姿を見せることはなかった。

会場がある大阪狭山市は大阪府の南に位置し、中心地の梅田からは車で約30分。10年の国勢調査では、人口は約6万人で、府内では3番目に少ない。そんなのどかな町は、騒動後、初公演となるジュリーの影響で朝から異様な雰囲気に。報道陣の側を通る地元住民は「誰か来るの?」などと問いかけ、中には異様な光景の記念撮影をする姿も見られた。

同ホールの収容人数は約1200人。職員によると、チケットは7月28日から発売され、10月初頭には完売になったという。17日のキャンセル後は、この日のチケットを買ったファンから問い合わせが複数あったとも話していた。

会場に詰めかけたファンの多くは、騒動の公演キャンセルについて前向きな意見が多く聞かれた。

堺市から来たという50歳の女性ファンは、前回のキャンセル理由となった空席について「(普段なら)空席は無い。全くない」。6日に横浜でも公演があったことや、平日開催などの理由を挙げ、「(キャンセルも)それはそれで良い思い出だと思う。14年ぶりのドタキャンに当たったと」と理解を示していた。また、沢田は今ツアーでよく、「たくさんのお客さんの前で歌いたい」とファンを前に明かしていたとも話していた。

また、奈良から来たというファン歴51年の女性は「ここ十何年かは、もう当日券が無いとか満席」だといい、前回のキャンセルについては「それはジュリーのプライドが許さんかったんやと思います」。翌日には本人が自ら事情を説明したが、「あんな事する人じゃないのに、あそこまで出てきて」と思いやっていた。

騒動についてさまざまな意見や報道がされているが、長年見てきているファンの意見として「(騒動の件を)一般人には聞かないで欲しい。そんなの、まともな答えしか返って来ませんから。これはファンとジュリーだけの問題」と熱く語っていた。