倉科カナ(30)が26日、都内で行われた主演映画「あいあい傘」(宅間孝行監督)の初日舞台あいさつに、市原隼人(31)立川談春(52)原田知世(50)宅間監督(48)と出席した。

25年前に突然姿を消した父と娘が再会を果たすまでを描く感動作。

主演作が初日を迎え、倉科は「すごく緊張しています。うれしいんですけど、自分の手から離れていくさみしさもあって、わが子を皆さんに託すような思いです」。主人公と自身を重ね「父がいなかったという境遇が一緒で、その過去は負の要素でもあったりするけれど、それを糧としていい思い出に変えられた。私自身救われた作品になりました」と話した。

共演の市原とは10代の頃からお互いを知る間柄。市原から「これだけ距離を近づけられなければこの作品は成しえなかったし、倉科カナという女優の作品に対する向かい方を見てきた」と真剣な姿勢を称賛されると、倉科も市原を「俳優としての先輩でもあり、お兄ちゃんでもある。芝居もしっかりされてて人柄も温かい」といい「この関係性でなければ成しえなかったなかかもしれないね」と互いに感謝し合っていた。

同作が泣ける映画と言われることにちなみ「今年一番泣けたこと」を聞かれると、倉科はドラマの撮影で長ぜりふが言えなかったことを挙げ「何度もNGを出してしまってすごく悔しくて。放心状態でかばんを現場に忘れてきました」。これを聞いた談春から「セリフが言えなくて泣いたのか、かばんを忘れて泣いたのか」と追及されると、「どちらもですね。相打ちです。その時はボロボロに泣きました」と明かして笑いを誘った。

イベント終盤、倉科は目に涙を浮かべながら「これから映画は私たちの手を離れて、皆さんに育てていただくことになります。私たち作り手側は、よりいっそうすてきな作品に育っていくことを願っています」と最後のあいさつ。降壇時は感激の表情で目元を拭った。