落語家桂文枝(75)が30日、大阪・天満天神繁昌亭で「第115回 創作落語の会」に出演し、自身286本目となる創作落語「1つ屋根の下の嵐」を披露した。

創作落語の第一人者である文枝がライフワークとして定期開催し、新作を披露している同会。生涯300本の目標を公言している文枝はこの日、息子を亡くした家主が主人公となり、同居する息子の嫁とその子どもたちや家に出入りする新たな男性らとの家族会議の模様をコミカルに描写した1席で客席を魅了した。

マクラでは、先月亡くなった女優樹木希林さんの話題に触れ、12年のNHK紅白歌合戦で共に審査員を務めた思い出を回顧。紅組で登場した「きゃりーぱみゅぱみゅ」を「誰?」と希林さんに聞かれ、自分も分からずに隣のレスリング吉田沙保里に聞いたそうで、名前を希林さんに伝えるも発音に苦戦していたら曲が終わってしまっていたと懐かしんだ。その日がちゃんと話せた最後だったといい、「(希林さんは)面白い人でした」と印象を振り返っていた。

現在進行中である大阪市内全24区の創作落語を制作・披露する企画や京都での新落語会、今月25日に発売した自身初の自叙伝「風に戦いで」(かぜにそよいで)の執筆など、75歳の今も新たな試みへのチャレンジを続けている。11月18日には、大阪・MARUZEN&ジュンク堂書店梅田店で「風に戦いで」のサイン&握手会を開催。「創作落語の会」の次回は、12月30日を予定している。