タンゴ歌手で女優の冴木杏奈が主演する舞台「南十字星へのプレリュード」が1日、東京・日本橋の三越劇場で初日を迎えた。

日本とアルゼンチンの外交樹立120周年を記念したミュージカルで、アルゼンチン大使館からアラン・ベロー特命全権大使、マティアス・バビーノ公使も祝福に駆けつけた。

今年8月にアルゼンチン・ブエノスアイレスのタンゴフェスティバルで記念ライブを開いてきた冴木は「『南十字星へのプレリュード』という曲は、タンゴの名曲で私も歌わせていただいています。今回は倉科先生にお願いして舞台にしていただきました。アルゼンチンで私がまとってきた風をみなさまにもお届けしたい」。今年は、日本とアルゼンチンが修好通商航海条約を結んで120周年。「アルゼンチンは日本とは違う空の青さがあり、食べ物も本当においしい。日本から一番遠い国ですが、私にとっては心が一番近い国。これから130周年、140周年と日本とアルゼンチンの架け橋になれるようがんばっていきたい」と話した。

べロー大使は「アルゼンチン大使館は冴木さんの活動を応援してきましたが、120周年を記念した舞台がこのたび上演されることに感謝します。冴木さんがアルゼンチンで感じてまとってきた風をみなさんにも感じてほしい」バビーノ公使は「120周年の終盤にこのようなすばらしい舞台を記念行事の1つとして迎えられたことは本当にうれしい。アルゼンチンのタンゴを代表する曲の『アストル・ピアソラ』も披露されると聞き、楽しみにしています」と話した。

公演は4日まで。アルゼンチンの首都・ブエノスアイレスを舞台に、四姉妹と余命宣告を受けた父親の織りなす家族愛を描く。コミック「女帝」などの倉科遼氏が原作・製作総指揮。高梨由が脚本・演出を担当する。