EXILEが先月21日に行った全国ドームツアー「STAR OF WISH」東京ドーム公演で、東日本大震災で被災した岩手・釜石東中学校の生徒114人が、ステージに“出演”した。超満員の5万5000人の前で、「Rising Sun」を披露し、大歓声を浴びた。

これは震災直後からEXILEが中心になって取り組んできた「夢の課外授業 中学生Rising Sun Project」の一環。「ダンスで日本を元気に!」をテーマに、USA(41)とTETSUYA(37)がプロジェクトリーダーを務め、東北のほか、16年に被災した熊本なども加えながら、この7年で約3000人が参加してきた。

釜石東中は、震災による津波で甚大な被害を受けた。その校舎跡地に来年のラグビーW杯でも使用される釜石鵜住居復興スタジアムが建設され、今年8月に行われた同所のこけら落としイベントに、USAらと生徒が一緒に踊っていた。

終演後、USAとTETSUYAは、ステージで大役を務め、約9時間のバス移動でやってきた生徒たちをねぎらうために控室を訪れた。すると、生徒たちが2人にサプライズで合唱をプレゼントした。「いつかこの海をこえて」。当時の在校生と、作曲家のミマス氏が制作し、現在も歌い継がれている合唱曲だ。

<歌詞>いつかこの海をこえて 僕たちは舟をだそう 出会いにあふれる ひろいひろい世界へ…

自分たちの未来を奪った海を、あえてこえていこうというメッセージがこめられている歌詞。震災当時6~8歳くらいだった生徒たちが、まっすぐ前を見ながら合唱する姿に、TETSUYAの目にも光るものがあった。

TETSUYAは「これまでの7年の思いとか、みんなの笑顔だったりとか達成感だったり、7年分の思いがすべて込められていた気がして、すごく感動しました。継続は力なりではないですけど、本当にささいな形ですけど、日本はこんなに元気になりましたっていつかは叫びたいと思っていましたが、その第1歩を踏めたような気がします」。ステージでのパフォーマンスだけではなく、生徒たちの合唱にも勇気づけられたようだった。