英歌手ポール・マッカートニー(76)が8日、愛知・ナゴヤドームで、日本ツアーのファイナル公演を行った。66年にザ・ビートルズのメンバーとして初来日。今回がソロで7回目の日本公演だが、名古屋のステージに立つのは初めて。

ザ・ビートルズ時代のヒット曲「ア・ハード・デイズ・ナイト」で幕を開けた。総立ちのファンに向かって左手の拳を何度も突き上げながら鼓舞。「どうも、どうも、どうも。こんばんは、名古屋」と日本語であいさつし「新しい曲も古い曲もやる。みんなで盛り上がろう」と呼び掛けた。

その後はバンド「ウイングス」時代やソロの楽曲など、世界のファンを魅了してきた名曲を次々披露。9月に世界同時発売したアルバム「エジプト・ステーション」からも「フー・ケアズ」「カム・オン・トゥ・ミー」「ファー・ユー」の3曲を歌唱。「ファー-」の時には「次は新曲だがや」と名古屋弁で曲紹介をして盛り上げた。客席から「ポール!」と声がかかると柔らかな笑顔を見せ、歌声の艶も自然とアップ。「名古屋、でら最高!」のシャウトまでし、約2時間半で37曲を歌いきった。

ライブ以外でも初の名古屋訪問を楽しんだ。来日前に「観光客の気分で新しい町を見たりするのも楽しみ」と話していたが「名古屋城周辺のサイクリングを楽しんだ」と地元ラジオ局の取材に明かした。

日本ツアーは、世界ツアー「フレッシュン・アップ・ツアー」の一環として、東京ドーム、両国国技館とナゴヤドームで4公演を実施した。62年にビートルズの一員として「ラヴ・ミー・ドゥ」でレコードデビューをして56年。半世紀以上も第一線で活躍をし続けるロック界のレジェンドは、約13万4500人のファンを大いに魅了して日本ツアーを完走した。【松本久】