タレント片岡鶴太郎(63)が16日、東京・モンテカルロギャラリーで、荻野綱久個展「Black&Flash」内覧会に出席した。

荻野氏(32)は片岡の次男。片岡は「やっと1本立ちできたのかなと。多くの人に尽力していただき、みなさまにかわいがっていただけるアーティストになっていけばいいなと思っています」と画家の先輩として、そして父親として話した。

ミュージシャンとしてして活動を続けていた荻野氏。絵を描くきっかけとなったのは、夢だという。「ある日、自分が画家の夢を見て。書いているのはドクロの絵でした。予知夢的な感じがあって、その後、導かれるようにデザインを手がけたりしました」。そんな時期に、片岡から草間彌生氏のDVDを借りた。「音楽に出会ったときと同じような衝撃を受け、自分もやりたいと思った」。

アトリエで最初の作品に挑む荻野氏の姿にただならぬものを感じた片岡は、とっさに携帯で動画を回した。「キャンバスに向かっている姿が、ある種いってるんです。あの動画は後に大事な映像になるかもしれない」と振り返った。

画家としての共通点はない。片岡は「過程も、できあがりも、全く違う。私はモチーフがないと描けないが、彼はイマジネーションで描く。彼が自分と同じように描いていたらやめろといっていた」と話した。

片岡は「彼の中で生涯をかける物を発見したというのを、親として、そして1人の人間として祝福したい。私にとって画家は職業ではなく、生き方なんです。だから彼の制作姿勢が美しいと思っています」と親心をのぞかせた。

荻野氏も「絵を描きはじめてから、男同士向き合えた気がします。胸を張って幸せといえる精神状態になったし、真の生き甲斐に出会えたと思います」と応えた。

個展は17日より、同ギャラリーで開催される。