8月15日に乳がんで亡くなった漫画家さくらももこさん(享年53)をしのぶ「さくらももこさん ありがとうの会」が16日、東京・青山葬儀所で営まれた。関係者約1000人が参列した。

祭壇の中央にさくらさんが描いた自画像が据えられ、その周りを本人の好んだダリアやトルコキキョウなど3万本の花が彩った。手掛けたキャラクターのほか、故郷静岡のシンボルである富士山、さくらさんが描いた「福絵」と呼ばれる縁起物のパネルも飾られ、にぎやかな祭壇となった。

テレビアニメ「ちびまる子ちゃん」で主人公まる子を演じたTARAKO(57)、友人の女優賀来千香子(57)、親交の深い作家の吉本ばなな氏(54)が弔辞にあたる「ありがとうの言葉」を述べた。

TARAKOは「よくぞ夢をかなえてくれました。あんた本当にエライよ、おめでとう」とまる子になりきってたたえ、賀来は「『千香ちゃんまた笑ってるよ』と畳み掛けるように笑わせてくれました」。

吉本氏は「人生を子どもの心のままで遊びきって、笑いきって、しっかり生ききって去ったと思います」と思いをはせた。桑田佳祐(62)は献歌としてさくらさんが作詞したアニメのエンディングテーマ「100万年の幸せ!!」を歌唱し、参列者の手拍子を浴びた。

会場内はテレビアニメの主題歌が流れる和やかな雰囲気で、会を手伝う関係者も花柄ワンピースやデニム姿などカジュアルな服装も多く見られ、参列者控室ではさくらさんの故郷にちなんだ静岡おでんも振る舞われた。明るく楽しいことが大好きだった、さくらさんの思いにあふれた会となった。【遠藤尚子】