「ある愛の詩」などで知られる映画音楽の巨匠フランシス・レイさんが亡くなった。86歳だった。

中学生の時に「映画音楽」という本を買った。音楽評論家関光夫さんの著書で、関さんは、当時の映画音楽ブームの立役者だった。映画の紹介とともに、そこに使われた音楽の解説があって、何度も何度も読んでいた。ボロボロになってしまったが、今も私の書庫の片隅に置かれている。

そこでフランシス・レイさんをはじめ、「ロミオとジュリエット」のニーノ・ロータ、「アラビアのロレンス」のモーリス・ジャール、「夕陽のガンマン」のエンニオ・モリコーネ、「ティファニーで朝食を」のヘンリー・マンシーニ、「雨に唄えば」のバート・バカラック、「007」のジョン・バリー、「シェルブールの雨傘」のミシェル・ルグランなどを知った。

レイさんは「ダバダバダ」と歌う映画「男と女」の主題歌を始め、「雨の訪問者」「白い恋人たち」「愛と哀しみのボレロ」などの音楽を手掛け、70年の映画「ある愛の詩」では米アカデミー賞作曲賞を受賞した。大の飛行機嫌いだったが、フランシス・レイオーケストラを率いて、来日したこともある。フランス人らしい流麗な旋律がレイさんの持ち味だった。