津川雅彦さんと朝丘雪路さんの「合同葬お別れの会」が21日、東京・青山葬儀所で行われ、長女の女優の真由子(44)が喪主あいさつを行った。

6月に結婚した夫で俳優の友山裕之助(45)を傍らに、マイクに立った真由子は「生前、父と母から遺言のように『とにかくジメジメとした葬儀は嫌だ。パーティのように盛大にやってくれ』と言われてました。じめじめしたあいさつではなく、なるべく笑って父と母を送り出したいと思います」と切り出した。

朝丘さんは4月、津川さんは8月に亡くなった。「亡くなった直後は平気で、乗り切れるかも思っていたんですが、今はつらくて、これからもっとつらくなると言われてます。父が気に入ったテッシュボックスをスーパーで見ては泣き、母のCDを聴いては泣いています。涙が出た後に、笑ってしまうくらいに泣いています」。

朝丘さんの百か日に津川さんが追うように亡くなったことに真由子は「そんなに中が良かったかな。それよりも、私といたかったんじゃないの」と言いながらも、「理想の父と母ではなかった。父は好きなことをやって来た。家族よりも、先輩や同僚、後輩を大事にして、やりたいことをやってきた。母は何もできない、お嬢さま一本で、自動販売機に『朝丘です』と言うんです。『小銭いれないと』と言うと、『大丈夫よ。朝丘です』と言う母に、大丈夫かなと思った、4、5歳のころを思い出します」。

2011年の東日本大震災の時には、津川さんから電話がかかったが、「心配してくるのかなと思ったら、『今、みんな大変なんだ。真由子も堂々と胸を張って、日本人として死ね』と言われました。すごく度肝を抜かれる父と母ですが、私の中では世界一の父と母と言えます。2人の娘で良かったと思います。子孝行の父と母はつらい姿を見せることなく、安からかに亡くなりました。親孝行はできなかったけれど、これからは頑張って親孝行していこうと思います」。

最後に2つのお願いを話した。「父はコミュニケーションを大事にして、日本を愛した人でした。『車に日本の旗を張れ』と言われて張ったら、警察に止められたこともありました。記憶の中で、父と母のことをいつまでも思い出してください」。そして、「パーティーはできなかったけれど、人生の舞台の千秋楽を、ぜひ大向こうと拍手で送ってください」と話し、真由子が「お父さん、お母さん、千秋楽、お疲れさまでした」と叫ぶと、参列者から「津川!」「朝丘!」と声がかかり、大きな拍手が斎場に鳴り響いた。