11月29日に心不全のため亡くなった女優赤木春恵さん(享年94)の葬儀・告別式が4日、東京・杉並区の築地本願寺和田堀廟所で営まれた。参列した中村玉緒(79)が取材に応じた。

玉緒は赤木さんと87年舞台「三婆」などで共演。ある日、赤木さんは「三婆」が行われた劇場に向かう道中、交通渋滞に巻き込まれたという。「多分、地下鉄に初めて1人で乗られたと思います。お金を入れたら、その日の切符が10枚も出てきてしまったみたいです。(息を切らしながら)『ごめんなさーい』って。間に合いましたけど」と、懐かしそうに振り返った。

赤木さんの温和な人柄についても触れた。「私もそうですが、赤木先生は声が大きかったけど、怒っていらっしゃらなかった。いつも、毎日、同じ顔なんです。疲れて家に帰る時も元気に帰る。子供たちに元気に帰って、元気な顔を見せようとしていました。素晴らしい奥様、お母様、おばあちゃま。できそうでできないことです」と明かした。さらに「こんなに皆さんに慕われている先生がうらやましい。赤木先生は幸せだと思います、先生、ありがとうございました」と故人に感謝した。