大泉洋(45)の主演映画「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」(前田哲監督、28日公開)のプレイベントが4日、都内で行われた。

筋ジストロフィーの不自由な体で、病院を出てボランティアに囲まれながら自立生活を貫いた鹿野靖明さん(59~02年)の実話に基づいた作品。大泉は「鹿野さんは不思議な人です。わがままを言い、ボランティアの人と大げんかをする。なぜそんなことができたのか、関係者に話を聞きながら演じているうちにいろんな思いに泣けてきた」と撮影を振り返った。

パラリンピック陸上の大西瞳選手(40)と原作のノンフィクション作家、渡辺一史さん(50)も参加。大西選手は「私は進行性の病気ではないけど、呼吸器を付けたこともあって、声の出ないつらさは体験しました。でも、退院したらセリーヌ・ディオンが歌いたくなってすぐにカラオケに行きました」。その明るさに大泉は「この映画の撮影を体験したからこそ、その気持ちが分かるようになりました」と笑顔で答えた。

渡辺さんが「実際の鹿野さんと大泉さんは似ても似つかないですが、不思議にうりふたつに見える瞬間があった。役者さんはすごいと思った」と感想を語ると、大泉は「髪形によって最近はひょっこりはんに似ているそうですから」と照れたように応じ、笑いを誘った。