EXILE一族のダンス&ボーカルグループFANTASTICSが、今日5日、シングル「OVER DRIVE」でデビューする。全国のショッピングモールなどを回る「夢者(むしゃ)修行」を2度にわたって合計128公演行い、出会いや別れを経験しながら、これまでの一族にない“かっこおもしろさ”を武器に、メジャーシーンに羽ばたく。このほど、リーダーの世界(27)佐藤大樹(23)らが取材に応じた。

結成から約2年。EXILE TRIBE(一族)の五男坊が、いよいよメジャーデビューする。9月15日に、同行するEXILEの全国ドームツアーでデビューが発表され、デビュー直前には30誌以上の取材を受けた。注目度は高まっており、ボーカル中島颯太(19)は「個人としてもグループとしても、デビューが一番の夢だったのでめちゃくちゃうれしいですし、これから先輩たちと同じEXILE TRIBEの名に恥じないグループになりたいという覚悟があります」と意気込んだ。

結成当初は、ボーカルなしのパフォーマー集団だった。昨年2~4月に行われた最初の「夢者修行」(18会場50公演)は、いかに観客の足を止めるか、手探り状態が続いたという。世界は「とにかく顔と名前を知ってもらうことに必死でした。1度だけ、パフォーマーなのにマイクを持って、あおり合ったことがあるんですが、それも大失敗でした」と苦笑いで回想する。

試行錯誤を繰り返す中で、たどりついたのが“かっこおもしろさ”。ザ・ドリフターズや、チャプリンの無声映画などを研究し、キレのあるダンスにコミカルな動きも取り入れた。佐藤は「今でも必ずオチがあったり、クスッと笑ってもらえる部分があります」。

昨年12月に、さらなるステップアップを目指して中島と八木勇征(21)のボーカル2人が加入した一方で、中尾翔太さんが病に倒れた。8人で2度目の「夢者修行」(38会場78公演)を回ったが、7月に帰らぬ人になった。悲しい別れを経験し、世界は「僕らの使命は、中尾翔太を本当の意味でヒーローにすること」。佐藤も「翔太をきっかけに僕らを知ってくれた人も多い。彼の思いを背負いながら、アルバム発売、単独ツアーと、夢をかなえていきたいです」と話す。

さらに、かなえたい夢があるという。佐藤は「(名前にちなみ)『ファンタ』と、『ミスタードーナツ』のCMをやりたいです。翔太がデザインしたキャラクターと『ポン・デ・リング』が似ていたりするので、ぜひお願いします!」とオチも忘れなかった。【大友陽平】

◆FANTASTICS(ファンタスティックス) 16年12月、EXILEの佐藤大樹、世界をリーダーに、木村慧人(19)、瀬口黎弥(22)、沢本夏輝(24)、中尾翔太さん(享年22)、堀夏喜(21)の7人組パフォーマー集団として結成。「夢者修行」をへて、昨年12月に中島颯太、八木勇征のボーカル2人が加入。今年7月6日、中尾さんが胃がんのため逝去。9月15日のEXILEドームツアー初日公演でメジャーデビューを発表。