女優真矢ミキ(54)がフジテレビ系連続ドラマ「さくらの親子丼2」(土曜午後11時40分)で、問題を抱えた子供たちが入居する子供シェルターの食事スタッフを演じている。問題を抱えた子供たちと交流しながら、問題解決に立ち向かって行く。昨年10、11月に放送されたシリーズの第2弾。日刊スポーツコムでは、4週にわたって真矢のインタビューを掲載。その2週目。

◇  ◇  ◇

真矢が演じる九十九さくらは、親の虐待などを受けた子供たちが一時的に退避する子供シェルター「ハチドリの家」の食事を作る。親子丼をはじめ、温かく、おいしい食事を作り、閉ざされた子供の心を開き、問題を解決していく。

「ハチドリの家」に入居している8人の俳優は17歳から23歳まで。みんなオーディションを勝ち抜いて、役をつかんできた。

「やっとつかんだチャンスを絶対にものにしようと、本気でぶつかってきたいと思っている子たちが集まっているんですよ。彼らの情熱とか意気込みといったものを、ひしひしと感じています。私自身も、俳優として絶対的に伸びたいと思っているんです。今回は、いつもやっているような役じゃないだけに、本当にしっかりと挑戦したいと思ってます」

宝塚の男役トップスターから女優に転じて「できる女」「理想の上司」を演じてきた女優真矢ミキ。そこに安住することはない。

「自分の得意な分野だと、いろいろな経験が邪魔になる。『こんな感じ?』ということで、できちゃうんですよね。でも“感じ”でやっちゃいけない。だから、若い俳優の子たちより作業が多い。“真矢節”みたいなものが出てきたら、つぶす! つぶす! つぶす! とたたいていくんです」

第1弾では、真矢の演じる九十九さくらは、子供たちの癒やしになると同時に、自身も事件に巻き込まれて息子を失った被害者でもあった。今回は子供シェルターに乗り込み、より強く、より深く、子供たちと関わっていく。

「子供シェルターに入居している子供たちに近づいて、何がこじれているのか彼らの心を見ようとするんですが、自分自身の心のこじれが見えてしまった。彼らに気付かされて、思い悩んだ過去と決別する大きな1歩を踏み出す。それは九十九さくらも女優真矢ミキも一緒。若い俳優が勇気を持って演じている。そのま前では、私のキャリアなんてどうでもいい。私も彼らと一緒に走ってるんです。私は、できればいつもオーディションを受けに行きたいくらいなんですよ」

制作発表会見で真矢は、若い俳優に「○○役の○○です」という自己紹介を禁じた。

「絶対にやめろって言ったんですよ。そんなのどうでもいいから。自分をプレゼンしろ、と。パターンを壊す! 壊す! 壊す! ってやっていくと、何かが見えるかも」

宝塚時代から革命児と言われた。常識を覆す“髪の長い男役”。それが真矢ミキの生き方だ。

◇  ◇  ◇

◆真矢(まや)ミキ 1964年(昭39)1月31日、大阪府生まれ。79年宝塚音楽学校入学。81年宝塚歌劇団入団。95年「エデンの東」で花組男役トップスター。98年退団。99年フジテレビ「傷だらけの女」でドラマデビュー。ほかに映画「踊る大捜査線 THE MOVIE2」やNHK連続テレビ小説「てるてる家族」など。12年テレビ朝日系「捜査地図の女」で連続ドラマ初主演。08年にバレエダンサー西島数博と結婚。166センチ。血液型O。